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2018.06.26 16:00  NEWSポストセブン

住宅街に灯る店灯りは父の遺志 家族で守る東京・田無の角打ち

つまみは、店に並ぶ乾き物が中心。厚切りベーコンや真いかの缶詰なども人気


 常連客の多くは、家族がいる店だから好きだと口にする。

「看板の屋号など、店の文字は書家である娘(雅号・大江静芳)さんの筆。墨で書かれた文字っていいですよね。ほっとする優しい書体に包(くる)まれながら飲むと、酒のうまさが増しますよ。彼女、この2階で書道教室を開いていましてね。時々下に降りてきて笑顔を見せてくれるんですよ」(50代、電機関係)
 
「私は週に何回か小金井公園を走り、目の前の銭湯で汗を流すんです。するとそこにサウナ仲間がいましてね。締めの角打ちと称して、彼らと一緒に押しかけるわけ。いつもここのご家族と雑談しながらで、いやあ、そりゃあ楽しいですよ」(50代、IT系関係役員)

「銭湯前にあるコインランドリーに洗濯物を入れて、待ち時間を角打ちにあてるんです。30分?いえいえ、気分がよくなったら、2時間なんてことも。ここのご主人、あまりしゃべらないけど、お酒好きで、気が合うんです」(30代、運送業)

 身長180㎝は軽く超え、がっしり体躯のご主人・裕一さんは、笑顔を浮かべるだけで本当に口数は少ない。しかし、「盛り塩したのに、お客さん少ないなあ」「もう6時をはるかに過ぎてるじゃない。みんなと飲まなきゃ」など、コクのあるセンテンスをときどき挟んで、和ませる。

 5月以降は玄関先でテラス風にちょい飲みを楽しめるように細長いテーブルが用意されるが、メインは店内にひとつだけある四角い角打ちテーブル。
 
 お気に入りのテーブルを囲む彼らの手にあるのは、焼酎ハイボールだ。

「これ、甘くなくてすっきりしていてね。うれしいというか驚きというか、この店と同じ優しさで、喉を通るんですよ」(30代、前出・運送業)

「やっと1年過ぎました。お客さんがお客さんを呼んでくれる感じで、最近、若い人が来てくれるようになったんですよね。とってもうれしいです」(理恵子さん)

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