多くの風邪薬の副作用である「無顆粒球症」は高齢者にとって危険だ。
「薬が幹細胞に影響して白血球が作られなくなる病気で、貧血が進むと輸血が必要になります。高齢者は骨髄中の幹細胞が老化しているため若い人よりリスクが高い。万が一、幹細胞が全滅したら骨髄移植が必要になります」(北野氏)
市販薬の副作用から身を守るために必要なことは何か。
「服用後に病状が改善しない、あるいは服用前と違う症状が出たら、速やかに薬剤師やかかりつけの医師に相談すること。『薬局で売っている薬だから、大丈夫』と軽く考えてしまうことが最も危険です」(堀氏)
製薬会社も添付文書を使用者が読むよう、CMやホームページ上で注意喚起をしている。市販薬と長く付き合うためにも、効能とともにリスクを深く知ることが重要だ。
※週刊ポスト2018年7月13日号