前述の独立行政法人・PMDAは製薬会社または医療機関から報告された医薬品の副作用が疑われる症例を「医薬品副作用データベース」として公開している。
ここには去年、70代の男性がある市販のかぜ薬を服用後、副作用で間質性肺炎を起こして死亡した例が掲載されている。報告では「情報不足等により被疑薬と死亡との因果関係が評価できない」としているが、死に至る可能性もゼロではないことは知っておきたい。
◆初期症状を見逃さない
鼻炎用薬「アレジオン」は「血小板減少」に注意だ。
「この薬は骨髄で血小板をつくる幹細胞の働きを弱める。血小板が減ると出血しやすくなるほか、血液中のたんぱく質が足りなくなり、水分が外に漏れて全身がむくみます。重篤化すると血小板が作れなくなり、血小板輸血が必要となる怖れもある」(医師の北野國空氏)
使用頻度の高い「バファリンプレミアム」などの解熱鎮痛剤にも副作用がある。
「解熱鎮痛剤などに含まれる熱冷ましや痛み止めの成分のアセトアミノフェンは、肝機能を壊死させる毒性物質に変わる可能性があり、場合によっては重度の肝機能障害が生じる怖れがある。壊死した筋肉組織が血液中に流れだすとコーラのようなどす黒い色の尿となり、副作用のサインになります」(堀氏)