路上で襲われたときはどう対処するべきか


「不審者や危険人物を見た目で判断するのは難しい。ただ、その兆候を感じ取ることはできます。

 例えば、暗闇や物陰に立っていたり、自分がよく行く場所や通勤中に見かけることがあったり、昼夜問わず自宅周辺をうろついている人物がいるなら、警戒すべきです」

 今回の新幹線殺傷事件では、梅田耕太郎さん(享年38)が犠牲になった。事件や事故現場に居合わせた人の中には、事件の衝撃や、“助けられなかった”という自責の念がトラウマとなることも多いという。金吉晴さん(国立精神・神経医療研究センター成人精神保健研究部部長)が語る。

「事件や事故現場にいた人はトラウマの被害者です。もし自分を責めているなら、それは既にトラウマの症状です。

 放置すると、悲しみや罪悪感、恐怖、自分を責める気持ちが大きくなり、動悸や手の震え、お酒が増えて自暴自棄になることもあります。

 周囲が気づいて、寄り添うことが大切ですが、無理に体験を話させるのではなく、自然に本人が話し始めるのを受けとめるとよい。

 1995年の阪神・淡路大震災の時、無理に気持ちを吐き出させて逆に悪化させたケースもあります。安易に『その気持ちわかる』などと言うのも避けた方がよいでしょう。

 相談窓口はたくさんあります。わからなければ、まず保健所に、子供の場合は児童相談所に相談するとよいです。また、全国に精神保健福祉センターも設置してあります。本人も支援者も、抱え込まずに気軽に相談することが大切です」

 いつ凶悪事件に巻き込まれるかわからない。知識を蓄え、自分だけでなく周囲の大切な人も守れるよう、日頃から心がけておきたい。

※女性セブン2018年7月12日号

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