報告書によると、国外の扶養親族の人数の平均は10.2人で、なかには26人以上も申告しているケースがあったという。納税者全体の扶養親族の平均人数は1.34人(2012年)なので、異常に多いと言える。

 さらに、申告された国外扶養親族を年齢別で見ると、23歳から60歳未満の成人の占める割合が半数に上り、本当に収入がないのかという疑問も湧いてくる。

 報告書では、「国外扶養者については、国内扶養者と異なり多数の親族を扶養控除の対象としているのに適用要件を満たしているか十分な確認ができていないまま扶養控除が適用されているなどの状況となっていた」と指摘している。

 多数の扶養親族を申告すれば、所得税は大幅に減額される。実に調査対象者の68.8%が所得税ゼロ、つまり非課税になっていた。なかには所得が900万円以上あるのに、非課税の者が17人いたという。

 所得税が非課税になると、健康保険料や介護保険料の他、子供の保育料(公立保育園の場合)や市営住宅の家賃なども最低額になる。税収が減るばかりか、各種の行政サービスをフリーライドされてしまうのだ。

 会計検査院の指摘を受け、政府は2016年の税制改正で、扶養控除の申告に規制をかけた。具体的には、申告時に、戸籍等やパスポートの写しなど、親族であることを証明する「親族関係書類」と、親族へ送金した証拠となる金融機関の記録など「送金関係書類」の添付を義務づけた。

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