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H&Mなど外資ファストファッションが苦戦に転じた3つの理由

2013年当時の大阪心斎橋(時事通信フォト)

「H&M」や「フォーエバー21」といえば、欧米発のファストファッション(流行の衣料品を短サイクル・低価格で大量生産・販売するブランド)として日本でも人気を博してきたが、H&Mの日本進出1号店だった銀座店が7月16日に閉店した。昨年にはフォーエバー21の日本1号店だった原宿店も閉店するなど、“黒船ファストファッション”の勢いに陰りも見え始めている。その要因は何か。ジャーナリストの南充浩氏が分析する。

 * * *
「ファストファッション」という通称で呼ばれる、複数の外資系低価格グローバルSPA(製造小売り)ブランドが日本に上陸して早くも10年が経過しました。しかし10年も経つと上陸当初のブームは少し変質してきています。

 上陸当初のブームは去り、ブランドごとの業績格差が生まれつつありますが、全般的に共通しているのは当初のブームは沈静化したという点です。定着したり、場合によっては衰退したりしていて、ブランドごとに置かれている状況こそ異なっていますが、揃いも揃ってブームに沸いた10年前はすっかり過去の光景になりました。

「H&M」の日本1号店だった銀座店が7月16日で閉店することが発表されました。2017年2月から2代目のH&Mジャパン社長を務めるルーカス・セイファート氏は、

〈10年前は、日本を代表する好立地でいい形のスタートが切れた。ただ時代が変わり、状況が変化したので、10年間のリース契約が切れるのに伴い更新せず、閉店することを決めた〉

 と説明しています。売れ行きが好調なら契約を更新したはずですが、更新しなかったことを見ると、「捨てても惜しくはない」という状況だったのではないでしょうか。

 報道によれば、H&Mの業績は、国内店舗数は82店舗(2017年11月期末)で、売上高は約629億円。新規出店やECの業績も加わり売上高こそ前期比でプラスですが、既存店売上高はマイナスの状況。上陸当初の勢いは完全になくなっていることがわかります。

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