ユマニチュードは、「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱があるが、なかでも重要なのが「触れる」という要素だ。
毎朝、ユマニチュードの技法で、「触れる」ことを続けていると、家族の精神状態が安定するようになった。元気になり、薬の量を減らすことにも成功している。こうした個人的で身近な体験が、彼の「夢」を育て、やがて「天命」へと導いていく核になっているように思う。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。近著に、『人間の値打ち』『忖度バカ』。
※週刊ポスト2018年7月20・27日号