サバイバー生存率を研究する伊藤ゆりさん
マスコミ関係に勤める田中房江さん(45才・仮名)は昨年、80才の父親に胃がんが見つかった。幸いすぐに受けた胃の全摘手術が成功し、他の臓器への転移もなかった。
「手術を終え、今後も生きられる可能性が見えてくると、父は途端に生存率を気にし始めて、いろいろなデータの最も高い数値を見て安心するようになりました。人は生きている限り、命にこだわるのだと感じました」(田中さん)
仕事を通じてサバイバー生存率の知識があった田中さんは父親に「こんな生存率もあるよ」と教えた。
「すると父はパッと目を輝かせて、『そうかそうか。1年生き延びれば5年生存率が80%まで上がるんだな』とうれしそうに言いました。この先も生きられることが数字で示されて、とても喜んだんです。診断時の生存率だけでなく、1年後、2年後の数字を患者に伝えることはすごく意味があります」(田中さん)
※女性セブン2018年8月2日号