ロゴスlogosは確かに「言葉」だが、アブダクションabductionって「類推」か。英和辞典には「誘拐」と出ている。
二本目にはこんな一節がある。
「ここに米哲学者パースのアブダクション(類推)を加える」
やっと分かった。このアブダクションはパース特有の用語で、induction「帰納」とdeduction「演繹」「推論」に先立つ「仮説的推論」のことだと『20世紀思想事典』に出ている。
なんでこんな面倒くさくて紛らわしい言葉を使うのだろう。二〇一七年八月刊の『韓国・韓国人の品性』にも、理解に苦しむ言葉が唐突に出てくる。
「大韓民国憲法の前文に『悠久の歴史と伝統〔略〕』を継承する、というウソがプロトコル(命題)として始めから埋めこまれているからである」
また、同年十一月七日付産経新聞「正論」欄にも、こうある。
「最近私は、民族には『脱落のプロトコル(命題)』があると主張している」