二十数年前、米国政府は「現代ほど、地球全体を脅かすレベルでの大量の(言語の)消滅」に直面した時代はないと警告を発した。英語でもって諸言語を一番圧迫しているのは米国なのだが、ともあれ、言語の絶滅に対する懸念はこの四半世紀の世界的ブームだ。
しかし本書の著者は「言語の死」という概念に疑義を突きつける。言語は一見忘却されながら、他言語に谺を響かせている。その谺の反響や共鳴が言語と文化の新たな生成に寄与するのだ。忘れることの創造性を説く稀代の書。
※週刊ポスト2018年8月10日号
二十数年前、米国政府は「現代ほど、地球全体を脅かすレベルでの大量の(言語の)消滅」に直面した時代はないと警告を発した。英語でもって諸言語を一番圧迫しているのは米国なのだが、ともあれ、言語の絶滅に対する懸念はこの四半世紀の世界的ブームだ。
しかし本書の著者は「言語の死」という概念に疑義を突きつける。言語は一見忘却されながら、他言語に谺を響かせている。その谺の反響や共鳴が言語と文化の新たな生成に寄与するのだ。忘れることの創造性を説く稀代の書。
※週刊ポスト2018年8月10日号