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会社や家庭にも存在する「○○判定」を使いこなす術

 話を戻しましょう。会社生活において「○○判定」とどう付き合い、どう使いこなせばいいのか。なんであんなヤツが昇進したのか納得できないときは、「あいつはほら、山田部長のお気に入りだから。いわゆる『山田判定』だよ」とささやき合えば、釈然としない思いを抑えることができそうです。

 自信を持って提出した企画案なのに、上司(仮に吉田課長とします)の反応が今ひとつという場面では、「ぜひやりたいので、ここはひとつ『吉田判定』でお願いできれば」という言い方で「もうひと押し」を試みましょう。とくに理屈は通っていませんが、言われた課長としては自分の名前を冠した判定名を言われていい気持ちになり、よくわからないまま「じゃあ、まあ、しょうがないか」と言ってくれるかも。

 あるいは、社内の女性社員について、同僚(仮に田中とします)と「誰がカワイイか」という話になったときに意見が分かれたら、「それは田中判定だな」と言ってしまえば、いかにも無理がある意見だという印象操作ができるでしょう。スナック選びでは、吉田課長の行きつけの店の名前をあげて「二次会の店は吉田判定でスナック洋子になりました」と言えば、吉田課長としても悪い気はしないはず。

 これからしばらくは「奈良判定」という言葉が、ますます脚光を浴びるでしょう。本当ならケシカラン話ですが、アマチュアボクシングの当事者ではないので、ニュースを見たり読んだりしてプンプン怒っていても腹の立て損。世間を騒がせている「悪いこと」を罵倒してドヤ顔するのも、大人としてみっともない了見です。

 ここはなるべく楽しく遊んでしまうのが、大人の心意気であり美学に他なりません。というふうに考えるのも、大人であることをひいき目に見た「大人判定」でしょうか。

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