芸能

竹内涼真 人気衰えぬ理由は「バンドワゴン効果」だった

様々な役を演じ幅広い層のファンを獲得している竹内

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人やトピックスをピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、人気急上昇中の竹内涼真さんを分析。

 * * *
 8月5日の日曜日、福岡県北九州市の小倉競馬場に4万196人が詰めかけた。従来の入場レコードを塗り替え、記録を大幅に更新したのは、人気俳優の竹内涼真効果だ。

 昼休みの時間帯にもかかわらず、小倉競馬場のイベントステージ周辺は超満員。女性ファンが、ステージを囲むように何重にも輪を作っていたが、竹内さんを見つめるどの顔も、真夏の酷暑をまるで感じさせないほど嬉しそうだ。

 竹内さんといえば、オリコンの「2017年ブレイク俳優ランキング」で1位となり、『日経エンタテインメント!』が発表している「2018年タレントパワーランキング急上昇編」でも俳優でトップとなった、今一番勢いのある俳優だ。

 すらりとした長身で、爽やかさが印象的なイケメン。運動神経は抜群で歌唱力もなかなかのものというから、人気が出るのも当然だ。それでも、昨年に続き今年も人気が衰えないのは、ヒット作に恵まれたことや、その中で演じる役が魅力的だったこと、またそれにより演技の幅を広げていることにあるだろう。

 そんなことは当たり前だと思うだろうが、これこそが彼の人気が続く理由の1つ、「バンドワゴン効果」である。バンドワゴンとは、パレードの先頭を行く楽隊を乗せた車のこと。日本でいえば、祭りのお神輿を思い浮かべるとわかりやすい。「ワッショイワッショイ!」という掛け声が聞こえると、みんなが集まり、神輿の後ろについて歩きだすものだ。そうした、あるモノやある事柄につい便乗する、「流行している」「ブレイクしそう」、「人気がある」と言われると、それに対する支持が前にも増して高くなる現象をバンドワゴン効果という。

 竹内さんは昨年、映画『帝一の國』に出演、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』では、主人公の相手役として一気に全国区となり注目が集まった。バンドワゴン効果の始まりである。

 ところが、このバンドワゴン効果は、発揮するのは比較的簡単だが、持続するのは難しいと言われている。お笑い芸人が一時、パッと人気者になるのもこのバンドワゴン効果によるものだが、いつまでも同じネタの繰り返しだと、人はあっと言う間に飽きてしまう。そこで、新しいバンドワゴンに乗り換えなければならないが、一発屋で終わってしまう芸人は、その乗り換えができないのだ。

 だが、竹内さんは1つのバンドワゴンで終わらず、次々に新しい、これまでと違うタイプのバンドワゴンに乗り換え続けている。乗り換えるバンドワゴンの選び方もうまいのだ。ドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)では、主人公カホコの恋人役でその魅力を存分に発揮し、ドラマ『陸王』(TBS系)でも、挫折し苦悩や葛藤を抱えながら、再起していくマラソン選手を熱演。本物のマラソン選手に見せるための役作りが話題になったのは記憶に新しい。また、ソフトバンクのCMでは、教師役としてコミカルなキャラクターを演じた。

 新しいバンドワゴンに乗り換え続けるには、人気だけでなく実力が伴わなければ難しい。次々に話題作に出演し、役によってコミカルな顔やシリアスな顔、優しい表情や硬い表情など様々なタイプの違う役を演じ分け、演技の幅を広げている。これが竹内さんの人気が持続しながら、さらにパワーアップしている所以である。

 今年に入ってからは、ドラマ『ブラック・ペアン』(TBS系)でまっすぐで一生懸命な、ダサくてカッコ悪い研修医役を熱演。頼りなく打ちひしがれたり涙を見せながらも確実に成長していく役を演じ、これまでにない新しい一面も見せた。現在公開中の映画『センセイ君主』でもイケメン数学教師を演じ、また違った魅力を見せてくれていることだろう。

 次はどんなバンドワゴンに乗るのか、今後も彼から目が離せない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト