竹内涼真一覧

【竹内涼真】に関するニュースを集めたページです。

ゾンビが少ない?…
竹内涼真が挑む『六本木クラス』 バディ役の女優を誰がやるのかという大問題
 韓国発の名作ドラマを日本のスタッフでリメイクする話題作。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏がキャスティングについて考察した。 * * * 韓流ドラマ『梨泰院クラス』の日本版が、テレビ朝日系・日韓共同プロジェクトとして7月からスタートすることが発表されました。主役を演じるのは竹内涼真さん。タイトルは『六本木クラス』。原作漫画を日本設定に換えたコミック「六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~」をもとにドラマ化されるそうです。 ご存じ『梨泰院クラス』は2020年1月~3月、日本のNetflixで1位を記録した大人気作。しかも配信開始から2年たった今でさえ「今日の総合TOP10」にランクインしているほど関心が高い。たしかにこのドラマ、一筋縄ではいかないいくつもの魅力が詰まっていて、見始めたら最後までグイグイと引き込まれてしまいます。 父を慕っていたパク・セロイ青年は、父の死による失意の中で、死の原因を作った国内最大の飲食業グループ会長へ復讐を誓う。そして異端の仲間たちとともに飲食店を開業し、のし上がっていく。青春群像劇であり恋愛ドラマであり、ビジネス活劇としても面白く半沢直樹風復讐が爽快感を生む。 特に主人公パク・セロイの魅力は、深い沼のようです。無垢な少年の純粋さを持つ一方、暴走する危険をはらむ肉体。性格的にマッチョではないけれど、怒りに一度火が付けば相手をボコボコにして殺しかねない凶暴さも。常にエネルギーが充電されていて、しかしそのパワーを外へどう表現したらいいのか戸惑う不器用さ。実直で素直で柔軟、しかし信念を貫く頑固さもある。そんな「乱反射」する魅力的なキャラクターのパク・セロイを、淡々とした演技で実に味わい深く表現したパク・ソジュンの演技力は光るものがありました。 この難しい役をいかに魅力的に、そして抑制的に演じることができるか。竹内涼真さんに与えられたミッションでしょう。竹内さんは容姿がイケメンというだけでなく、実はサッカー選手としてプロを目指していたほどの肉体派。その意味でも今回の主人公に期待したいものです。 ただし、見所は主役だけではない。圧倒的な存在感の異色キャラがもう一人います。そう、主人公のパートナーとして躍動するイソです。「IQ162」という破格の頭の回転の良さを持ち、偉そうな相手にも一切媚びず、ビジネスセンスに長け勝負強さも持つ。運動神経がバツグンでキレキレの奇抜ファッションも着こなしてしまう不思議な女性。ソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)で他人に興味がないのに、大手企業を相手に一人復讐を挑むセロイに一目惚れ。一緒に働き始め、完膚なき復讐劇は遂行されていく……。 イソを演じた女優キム・ダミも目を見張るような輝きを見せました。想定外の破格キャラなのに、「この人しかいない」というくらいピタリと役にハマっていて水を得た魚状態。では、この役割を日本版でいったい「誰がやるのか」が大問題。テレビ朝日から発表があった4月25日時点で、主役以外の配役はまだアナウンスされていません。さて、日本の女優でイソ役にハマるのは誰……? もちろんスケジュール&複雑な業界事情が絡み合っていることは承知の上で、魅力的なドラマ作品ゆえ日本版のキャスティングも決してゆるがせにはできないと、勝手ながらいろいろ妄想したくなる。 個性的なバディ役としてはまず、演技が巧いことが絶対条件です。例えば今、大注目株の伊藤沙莉さんか。はたまた二階堂ふみさんか門脇麦さんか。若手なら杉咲花さんか。大穴なら、乃木坂・欅坂のOG関係で演技派と称される人材に白羽の矢が立つか。朝ドラのみーちゃん役や是枝裕和監督作品で独特の存在感を見せる蒔田彩珠さんにも演じてみて欲しいもの。 一方、主人公の初恋相手でライバル会社で活躍するスア役は……美貌を兼ね備えたキャリアウーマンで切れ味が出せそうな人というと浜辺美波さん、今田美桜さん、新木優子さんあたりのイメージもフィットしそうです。 最後にもう一つ、気になるのが梨泰院に替わる地名のタイトルでしょう。今どき若い人たちの集まる最先端の場所が六本木とは、ちょっと解せないものが。テレビ局のある街ゆえのタイトルかもしれません。 日本版として考えうるのは例えば『奥渋クラス』あたりか。渋谷ならハロウィンで盛り上がる『梨泰院クラス』のシーンとピタリ重なるし、円山町など起伏のある地形や狭い路地もある。いずれにせよ、ドラマ好きとしては日本版が「短縮した劣化版」にだけはならないように祈りつつ、期待を込めエールを送ります。
2022.04.30 16:00
NEWSポストセブン
わたナギは大ヒット
志尊淳と多部未華子、竹内涼真と中条あやみなど“きょうだいCM”が多いワケ
 最近、「きょうだい設定」のCMが増えている。きょうだい役となった芸能人がさまざまな掛け合いを見せているのだ。こうしたCMが増えているのはなぜ? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * * 以前、このコラムで「兄ちゃんが出てくるCMが人気」と書いたが、今年も「きょうだい設定CM」は多い。 新登場したのが、花王キュキュット「キュキュット難しく考えない」篇の多部未華子・志尊淳・見上愛の三きょうだい。 台所で洗い物をする志尊がフライパンを洗っていたスポンジをそのままコップ洗いに使うのを見た姉は「先にコップ、次にお皿、ギトギトのフランパンは最後」と注意するのだが、志尊は「姉ちゃん、難しく考えない!」とニコニコ。妹も「考えずに洗うのだ~~」と言い出し、弟は、姉に洗剤の泡がギトギトも包み込むので、コップを後に洗っても平気なのだと説明する。スッキリ、さっぱり、爽やか三兄弟といったところだ。 以前から続くきょうだいたちも頑張っている。「コミックシーモア」の竹内涼真と中条あやみは、「マンガ愛、溢れてます。銭湯」篇で銭湯にも登場。湯上がりの妹がマッサージ機でもみもみされつつ少年マンガも読んでいることを知った兄はうれし気だ。 いろんなジャンルを冒険した者に「名作との出会いあれ」と言うマンガ顔妹に「名言な」と牛乳を掲げて応えるマンガ顔兄。同じ「マンガ愛 溢れてます」には、ベランダ篇もあり、この兄妹は、いろんな場所でマンガ愛を語り合っているのである。 また、小栗旬の味の素ほんだし「うちの満菜みそ汁」篇も元気に放送中。いきなりやってきた次男(神木隆之介)と妹(杉咲花)が、二人揃って「ごはん、まだ?」と言い出す。「うちは食堂じゃないって」と呆れ顔の兄だが、野菜も肉もいっぱいのみそ汁で満腹となる。 そして、いつも大騒ぎの「ジャンボ宝くじ」CMといえば、 “ジャンボ兄ちゃん”こと長男サトシ(妻夫木聡)、長女リホ(吉岡里帆)、次男リョウ(成田凌)、三男ユウマ(矢本悠馬)、次女ミオ(今田美桜)の五人兄弟。「ジャンボ兄ちゃん モテちゃった」篇では、今年もバレンタインにチョコをもらえなかったとリョウとユウマに泣きつかれたサトシが、「俺たちにはバレンタインジャンボがあるじゃないか」と励ますと、ポケットからチョコがポロリ。「今年、モテちゃった」とデレデレするサトシは弟たちから「裏切りもの~!!」と言われる。妻夫木、今回も三枚目顔、全開だ。きょうだいなら商品の情報を自然にPRできる また、気になるのが、「虫コナーズ」の長澤まさみと仲野太賀。姉は「その虫コナーズ、まさか去年のとちゃうやろねえ」とか「この世界には虫コナーズと虫コナーズなやない“虫コナーズ的なもん”があんねん」と突然、真顔の関西弁で言い出し、弟を怯えさせる。この姉弟も話すことといったら、虫コナーズのことばかり。それでいいのである。 映画、ドラマで主役を務める俳優たちのきょうだい設定CMが、なぜ多いのか。ひとつはきょうだいだと、知らないことを教え合ったり、言い合ったりすることが、ごく自然にできること。ここでいう「知らないこと」とは、商品名やその価値や使い方で、CMの肝である。情報も使いこなすツールにも格差がある時代。 いまや新しい情報を昭和世代の親が子に教える、上司が部下に教えるといった場面は想定しにくい。また、恋人設定では二人だが、きょうだいならば人数は自在。友人同士よりも近く、遠慮のない空気の中で、あれがいい、これが欲しいと短い秒数でポンポン言葉が出せるきょうだい設定は、CMにはちょうどいい関係性といえるのだ。
2022.03.11 07:00
NEWSポストセブン
竹内涼真「ワイルド系へのイメチェン」に成功 ファンはキュン
竹内涼真「ワイルド系へのイメチェン」に成功 ファンはキュン
 3月中旬、東京都内の駐車場に金髪でヒゲのワイルドな男性が現れた。人気俳優の竹内涼真(27才)。紺と黒でまとめたルーズっぽ服装も、185センチの長身で彼ほどのイケメンだとかっこよくまとまるのが、さすがである。 1月から3月までは、ゾンビと戦うアクションが勇ましい、連続ドラマ『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系、日曜午後10時30分)に主演。上半身を見せるシーンも多く、鍛え上げられた肉体美を披露してきた。 芸能リポーターは「最近の竹内さんはイメージチェンジを図っているように見えますね。昨年のスキャンダルが影響しているのかもしれません」と話した。 2014年にイケメン俳優の登竜門である特撮ヒーロードラマ『仮面ライダードライブ』で初主演してから、NHK朝の連続テレビ小説『ひよっこ』や連続ドラマ『陸王』と、話題作に立て続けに出演。クールな外見からはイメージのつかなかった、バラエティー番組での気さくで明るい素顔のギャップ萌えも加わり、“国民の彼氏”とまで呼ばれるほど王道路線で世の女性たちの人気を得ていた。 実際、彼を知る芸能関係者は「事務所の大先輩の和田アキ子さんのライブにも通うなど、マメで人懐っこい性格で事務所のみんなから愛されてきました」と話す。すべては順調に思えていたところに、昨年の報道があった。 新型コロナウイルスによる初の緊急事態宣言下の昨年5月、女優の三吉彩花(24才)との熱愛が発覚。それまで半同棲していた女優・吉谷彩子(29才)からの“乗り換え”の裏側が話題になった。「竹内さんが吉谷さんに約100万円を返済しないまま、破局したと報道されたのです。売れっ子の竹内さんがお金に困っているはずはなく、後日、2人で犬を買った際に、〈そのお金を吉谷さんが立て替えた程度〉だったとの後追い記事もありました。ただ、世間の女性たちには、最初の報道の印象が強くて、爽やかな好青年像とのギャップに驚いてしまったのです」(前出の芸能リポーター) そうした中、今回のイメチェンは功を奏している模様だ。「実際は、ドラマの役作りもあったので、今のようなワイルドなルックスになっていますが、ファンからの評判はいいようです」(前出・芸能関係者) 最近のSNS上では、「涼真君のワイルドさにキュンとする」や「フェロモン出まくりでかっこいい」、「遊ばれたい」などと、評判は上々。新しいファン層を獲得して、再び上昇気流に乗っていきそうだ。
2021.03.22 16:00
NEWSポストセブン
あsgdふぁds
菅野美穂・浜辺美波共演ドラマ オタク話についていけず脱落者続出
 新型コロナウイルス感染防止のため、“おうち時間”が増えたことで、テレビ視聴の時間も増えているという。ドラマ制作においては、感染対策のための撮影時の制約はあるものの、各局が視聴者獲得に燃え、下馬評の高いドラマをそろえた。しかし、早くも明暗が分かれ始めているようだ。 視聴率で言えば、綾瀬はるか主演の『天国と地獄』(TBS系)は、第1話が16.8%、その後も14%台と視聴率トップを快走中だ。一方、深夜枠ではあるが、池脇千鶴が疲れ果てた40才のOLを演じる『その女、ジルバ』(フジテレビ系)も、その迫真の演技が話題となっている。 一方で、テレビ評論家・吉田潮さんと漫画家・テレビウォッチャーのカトリーヌあやこさんがともに「今後、視聴率が下がりそう」と予測するのは、竹内涼真(27才)主演の『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)だ。 引き裂かれた恋人たちがゾンビに占拠された世界を生き抜く姿を描いた「サバイバルラブストーリー」だが、肝心のゾンビに不満が続出。「ゾンビが少なすぎて、迫力がない。生存者の方が多いから“力を合わせれば勝てるのでは?”とツッコミたくなります」(吉田さん) カトリーヌさんは配信方法に疑問を抱く。「シーズン2はHuluでやるのが決まっている点がガッカリ。Huluまで追いかけない人は“もういいや”と思ってしまうかも。ただ、生存者が亡くなる度に、新しいキャストがどんどん投入されるようなので、今後とてつもない人気キャストが登場すれば、一気に火が付く可能性もあります」(カトリーヌさん)『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)の評判もイマイチだ。数々の恋愛ドラマをヒットさせてきた北川悦吏子さんのオリジナル脚本で、菅野美穂(43才)、浜辺美波(20才)が主演とあって期待値は高かったが、吉田さんは「私にはついていけない」と話す。「固有名詞が立て続けに出てくるセリフが聞き取りづらいし、オタク話にもまったくついていけない。 たとえば“ユーフォーでアニメ化とか”っていうセリフがあったんですけど、ユーフォーって何かと思ったら、『鬼滅の刃』を作った『ユーフォーテーブル』っていう総合映像プロダクションのことだった。“お客さん、うちにオバサンは入れないよ”と日テレに門前払いされたみたい。悲しい気分ですよ」(吉田さん) イラストレーターでドラマウオッチャーのタテノカズヒロさんもこう話す。「浜辺さんがとにかくかわいい。それゆえに、陰キャ(雰囲気や性格が暗い人)で恋人ができなくて母親が心配する……という設定にどうも感情移入できない。そういう意味では『その女、ジルバ』と対照的。今クール見たドラマで唯一、脱落しております」 視聴率も初回こそ10.3%をマークしたものの、“脱落者”が多く、3話目は8.1%とじりじり低下中。「北川悦吏子さんの作品作りへの思いが切実に描かれているので、そこはぐっとくる。ただ、情報量が多いので仕事で疲れている水曜日に見るには不向きかもしれないですね……」(テレビ局関係者)※女性セブン2021年2月18・25日号
2021.02.07 07:00
女性セブン
義弟と共演NG!?
CMで「お兄ちゃん」人気 コロナ禍でおうち時間増とも関係か
 時代を反映していると言われるCM。コロナ禍で目立つのが、「お兄ちゃん」が登場するCMだ。いったいなぜか? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * * 最近、CM界では「お兄ちゃん」が人気だ。その代表ともいえるのが、「味の素 ほんだし」の小栗旬。 約2年前の「うちのみそ汁が、一番うまい」篇では、疲れた顔で突然やってきた妹(杉咲花)のため、兄(小栗)は、ありったけの野菜を入れた美味いみそ汁を作ってやる。うーん。いいお兄ちゃんだ…と思っていたら、この秋から、「うちの満菜みそ汁」篇に次男(神木隆之介)も登場。弟もいたんかい。いきなりやってきた兄の部屋に「女の靴?」と興味津々の次男だが、それが妹だとわかると「なんだお前か」。そして、妹と揃って兄に「ごはん、まだ?」と言い出す。 一方、「コミックシーモア」CMでは、竹内涼真が中条あやみのお兄ちゃんに。ソファに座った妹は、隣の兄がスマホを見つめる気にかかる。「私の兄はマンガに夢中」。読みたいマンガがじゃんじゃん見つかることを兄に教えられると、「そ。」「りょ。」と心の声(?)で会話する。 そして、妻夫木聡は「ジャンボ宝くじ」で5人兄弟の“ジャンボ兄ちゃん”こと長男サトシに。長女リホ(吉岡里帆)、次男リョウ(成田凌)、三男ユウマ(矢本悠馬)、次女ミオ(今田美桜)とともにワイワイと暮らしている。「ハロウィンジャンボ宝くじ」CM「ジャンボ兄ちゃんルーレット」篇では、「ハロウィンジャンボマーン!」と呼ばれて出てきたリョウが、全身に宝くじがひらひらする不思議過ぎる姿で全員が沈黙…。  お兄ちゃんCMがウケる理由はどこにあるのか。ポイントは、「お兄ちゃんが二枚目」で、「家の中のシーン」になっているということ。アクションもやれば、シリアスもやる。二枚目俳優が、「お兄ちゃん」になって家にいると、途端にリラックスモードでこんにちは。「味の素」では、妹に「彼女にも(みそ汁)作ってんの?」と突っ込まれたり、弟に「うちは食堂じゃねえって言ってんだろ」と文句を言ったり、「お母さん、元気かな~」と、ホームドラマのような味わいになる。「おうち時間」が増えた今、家の中でのほっこりした内容は、共感を得やすい強みがある。 遠慮のない兄と妹という関係性だからこそ、言いたいことも言える。このさっぱり感も重要だ。コミックシーモアの竹内・中条のCMでも、よく見ると、後方で母親らしき女性が背中を向けて何かをしている。家でのんびりしている空気がいっぱいだ。別バージョンでは、涼真兄ちゃんがカメラ目線で女性マンガが充実していることを解説。「しょうがないから、妹に教えてあげるわ」と締めくくる。もしも、この2人が恋愛中のカップルという設定だったら、まったく違う空気になったはず。 CMですっかり三枚目兄ちゃんになった妻夫木聡は、ドラマ『危険なビーナス』でも、失踪中の弟の嫁と名乗る楓(吉高由里子)に「お兄さま」と呼ばれて、困惑しつつも「好みドストライク」の彼女と行動を共にできて、まんざらでもない様子。妻夫木→兄ちゃん→張り切り過ぎて大丈夫?という構図をCMで学習している私たちは、このドラマでも妻夫木お兄さまが痛い目にあうのではと、想像せずにはいられないのだ。
2020.10.28 16:00
NEWSポストセブン
バラエティからドラマなど出演の多いウッチャン
竹内涼真、内村光良、純烈、「本人役」ドラマなぜ増える?
 この秋、新しい連続ドラマが続々とスタートしているが、その中で増えている趣向のドラマがある。それは俳優やタレントが本人役で登場するケースだ。いったいなぜ増えているのか? コラムニストのペリー荻野さんが分析する。  * * * 最近、俳優・タレントが「本人役」でドラマに主演したり、ゲスト出演する例が目立つ。この秋スタートのFOD『純烈ものがたり』には純烈の4人がドラマ初主演、WOWOWオリジナルドラマ『竹内涼真の撮休』ではタイトル通りに竹内涼真が主演、テレビ東京で放送中の『あのコの夢を見たんです。』には、原作者の山里亮太が妄想した中条あやみ、芳根京子、森七菜ら実在のモデル・女優たちがそのままの役名で毎回出演。 12月にはNHK『LIFE』のスピンオフ企画で内村光良の自伝が夜の連続テレビ小説として朝ドラ風に15分ずつのオムニバスコメディードラマになり、第1話の少年期と第2話の青年期に内村は自身の父親役、第3話には自身の役で登場するという。なぜ、「本人役」出演が増えたのか? ひとつは本人役ならば、視聴者に予備知識があって、キャラクター説明に時間を費やす必要がないということがある。どんなドラマでも、その役柄がどんな性格でどんな家族構成でという説明時間が必要になる。登場人物が多いドラマだと、初回はほとんど顔見世で終わりということにもなる。しかし、本人ドラマならばいきなりストーリーに突入可能。とんとんと話が進めるというものだ。 また、本人役ゲストのオーラがドラマを輝かせる効果もある。7月に最終回となった『BG~身辺警護人~』で木村拓哉が最後に警護したのは、市川海老蔵ご本人。前作には矢沢永吉も出演している。大物ふたりがシリーズを華麗に彩ったのだ。木村拓哉も田村正和の人気ドラマ『古畑任三郎』にSMAPとして出演し、大いに話題を集めたこともあった。 さらに「どこまで素なのか?」「アドリブ?」と見つめる楽しみがある。本人ドラマの成功例『バイプレイヤーズ』は、大杉漣、松重豊、光石研、遠藤憲一、田口トモロヲ、寺島進らのセリフや困惑顔がリアルで、シェアハウスにいたり、無人島にいたりとストーリーがあるにも関わらず、ついつい引き込まれてしまう面白さがあった。ドキュメンタリードラマ、モキュメンタリーとされる『山田孝之の東京都北区赤羽』や『山田孝之のカンヌ映画祭』に至っては、「どこまでが素?」どころか、あまりにそのまんまで、こういうドラマもあるのだとびっくりしたものだ。「本人ドラマ」といってもいろいろなタイプがあるが、『純烈ものがたり』は、予想通り(?)のほのぼの路線。デビュー10周年の記念ライブが配信となり、ちょっと寂し気なメンバーだが、どうやらメンバーには「秘密」があるらしい。頑張り屋のマネージャー(松下由樹)は、「やっぱりあやしい」とメガネを光らせる…。 制作発表で4人は、歌ではメンバーと視線を合わせたりしないので、向き合って芝居をするドラマは恥ずかしかったと語っていたが、その言葉通り、その演技には微妙にテレた感じもにじみでる。特に演技経験ゼロの後上翔太は本人曰く『はじめてのおつかい』状態だとか。本人なのに本人の演技をする危なっかしさに心をくすぐられる。本人ドラマには、こんなタイプもあるんですな。
2020.10.14 07:00
NEWSポストセブン
『ハケンの品格』、再放送視聴率はなぜ振るわなかったのか
『ハケンの品格』、再放送視聴率はなぜ振るわなかったのか
 新型コロナウイルスの感染拡大によって、春ドラマの撮影スケジュールが大幅に変更。撮影ができなくなくなった結果、人気ドラマの再放送が相次ぐこととなった。当然、過去の人気作なのだから、再放送でも高視聴率を叩き出すものが多かったが、一方であまり振るわなかったドラマもある。 リアルタイム放送時に大ヒットした篠原涼子(46才)主演の『ハケンの品格』(日本テレビ系、2007年、再放送は水曜22時)は、視聴率が2桁を記録することもあったが、まさかの1桁に落ち込むことも。同作は、本来ならばこのタイミングで続編が放送されるはずだったが、コロナ禍を受けての予定変更で、思わぬつまずきになってしまった。「この13年で働き方は大きく変わりました。描かれている派遣社員に対するいびりやいじめも、いまの世の中では絶対に許されません。時代にそぐわない描写が違和感を生んでしまい、視聴者離れにつながってしまったのだと思います」(ドラマ評論家の田幸和歌子さん) 今後放送される続編では、そうした違和感を払拭できるかどうかがカギになりそうだ。 竹内涼真(27才)が主演したミステリー『テセウスの船』(TBS系、2020年、再放送は毎日23時56分・24時20分)は、二転三転して犯人の予想がつかない展開が好評で、リアルタイム放送時には最終回で19.6%を記録。だが再放送は話題性を欠いている。ドラマ評論家の成馬零一さんはこう話す。「3月に最終回を放送した直後の5月に再放送。いくら好評だったドラマとはいえ、あまりにも近すぎたのでしょう」 山崎賢人(25才)や藤木直人(47才)が出演し、医療現場をきめ細かく描いた『グッド・ドクター』(フジテレビ系、2018年、再放送は木曜22時)も苦戦する。「当時の評判はよかったのですが、新型コロナによって医療現場が大きく変わってしまったことで、ドラマの内容に“現実はそれどころじゃない!”と、感情移入しにくくなったのが原因ではないでしょうか」(テレビ解説者の木村隆志さん) 再放送は新作を撮影できない中での苦肉の策だった。しかし、想定外の動きも出始めた。「あのドラマも、もう一度見たい」というリクエストが増えている。 熱望する声が多いのは、木村拓哉(47才)と山口智子(55才)が出演し、最終回で36.7%を記録した『ロングバケーション』(フジテレビ系、1996年)、トレンディードラマの元祖ともいわれ、その後、明石家さんま(64才)と大竹しのぶ(62才)が結婚するきっかけとなった『男女7人夏物語』(TBS系、1986年)、織田裕二(52才)と石黒賢(54才)がライバル外科医を演じた『振り返れば奴がいる』(フジテレビ系、1993年)、松嶋菜々子(46才)の代表作『やまとなでしこ』(フジテレビ系、2000年)など、名作と呼ばれる作品だ。 これらが再放送されるなら、新作の撮影が遅れるのもそう悪くないかも。※女性セブン2020年6月25日号
2020.06.12 16:00
女性セブン
再編集版『JIN-仁-レジェンド』全6回が2桁視聴率記録の背景
再編集版『JIN-仁-レジェンド』全6回が2桁視聴率記録の背景
 再放送ドラマが話題だが、当然のことながらすべてのドラマが数字をとるわけではない。“勝ち組”は何が違うのか。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。 * * * 地上波では放送局が各シーズンさまざまな新作ドラマを作り、工夫を凝らして視聴率を獲得すべくしのぎを削ってきました。ところが新型コロナ感染拡大で、それもストップ。すでに放送された過去作品を再放送したところ、想像以上の人気を得て2桁視聴率も獲得し注目を集めています。4月18日~5月3日までの土日に放送された『JIN-仁-レジェンド』(TBS系)は、再編集版全6回のすべてが「2桁の視聴率に届いた」と話題になりました。 その高い数字はいったい何を指し示しているのか? 登場人物も結末もわかっているのに。再放送の人気からどんな意味を読み取るべきでしょうか?『JIN-仁-』は……大沢たかお主演、2009年10月期、2011年4月期に放送されて人気となったドラマ。現代から江戸・幕末へとタイムスリップした主人公の医師・南方仁。医療技術を駆使してコロリに感染し苦しむ人や梅毒を患う吉原の女などを救うべく必死に治療にあたり、懸命に生きる事の大切さを浮かび上がらせていくヒューマンドラマです。 今の新型コロナによる医療崩壊の危機と重ね合わせて見た人も多かったはず。しかし、新型コロナとの二重写し、あるいは多くの人が自宅に巣ごもりしていたから、という理由だけでは片付けられない「何か」が、高視聴率獲得の背景にありそうです。 そもそも「繰り返し見ることに耐えられる作品のクオリティ」とは何なのでしょう? 再放送されることで一段と評価を上げる作品とは? その「5つの力/条件」について考えてみると……。【1】役者の力--演じる役者が輝き、張り切り、作品にかけている気迫が感じられること【2】脚本の力--描かれる人物像が単純ではなく、多面的な性質を持つこと【3】時代を描く力--様々な社会背景がストーリーに加味され投影されて物語に奥行きがあること【4】テーマの力--主題・メッセージがしっかり存在していること【5】映像の力--カメラワークや色調の工夫、ロケ等で映画のような立体的な世界を感じさせること 上記の条件が複数重なりあったところに、繰り返しの視聴に耐えうる味わいあるドラマが生まれてくるのではないでしょうか?『JIN』だけではありません。例えばNHKBSで今年3月まで1年間再放送されて話題となった連続テレビ小説『おしん』。当初、単なる貧乏といじめの物語だと誤解していた私自身も全編逃さずに見ることになりました。見ざるを得ない迫力と展開力がこのドラマの中にありました。 まず役者が凄かった。『おしん』といえば幼少時の小林綾子が有名ですが、中年のおしんを演じた田中裕子、老年期まで演じた乙羽信子、その女優リレーの迫力たるやアッパレの一言。眼を離せない勢いで、魂を揺さぶられた視聴者も多かったはずです。 時代背景は明治・大正・昭和の激動期。貧農から出発したおしんは、商才に恵まれ飲み屋、魚屋、そしてスーパー経営へと時代と共に新業態を展開していく。ビジネスストーリーとしても面白い上、労働運動や反戦思想も絡んで社会が描かれ、結婚による嫁と姑の対立は文化的摩擦の物語として活写されました。そう、この再放送は、時代の中に風化していた「宝物」を再発掘する好機になったのでした。 一方、『JIN』の場合は比較的新しい作品のため、視聴者の多くは初見ではなく、物語の内容も憶えている。「結末」も知っている。ですから再放送を見る時は「筋書き」を追う以上に、このドラマがたしかに放っていた独特の空気感、役者の演技の迫力、世界観の魅力にもう一度触れ没入したい、感動したい、という気持ちで画面に向かったのではないでしょうか。 今回の成功を踏まえて、今後はさらに再放送が増えていくはず。実際にTBSは1月期に放送されたばかりの竹内涼真主演『テセウスの船』を、5月11日から再放送しています。そう、優れた作品は一回見たからといって消費し終えることはできない。見るたびに発見があり気付きがあり楽しい。そんなドラマが見たいし、これからも生まれてきて欲しい。個人的には『JIN』を手がけた監督・平川雄一朗氏の過去作品『天皇の料理番』の中で初々しい料理人を演じた佐藤健の姿を、もう一度見てみたいものです。
2020.05.16 16:00
NEWSポストセブン
番組公式HPより
『テセウスの船』を成功に導いた「10代と70代」俳優の存在感
 優れた作品は主演の力だけで生まれるものではない。今期、前評判を遥かにしのぐ“快走”を見せた『テセウスの船』においても然り。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。 * * * ドラマ『テセウスの船』(TBS系)は予想通り注目の中で幕を閉じました。最終回は19.6%(関東地区)を記録し今期ドラマでトップの座を獲得。盛り上がりは予想されていたとはいえ、これほどの数字になるとは……。そしていまだに、日曜日夜はロスの余韻が続いているもようです。 このドラマが大成功した理由は何なのか? 役者の力、原作と違う真犯人が設定されアナウンスされたこと、それによる犯人捜しブーム、家族愛の丁寧な描き方など、複数の理由が指摘されていますが大切なポイントがもう一つ。それは「10代と70代」俳優の存在感でしょう。 言うまでもなく、犯行の一端を担った「みきお」を怪演し話題をさらった柴崎楓雅くん(11)は「怖い時のみきお」と「普通の小学生のみきお」2面性を演じ分け、話題になりました。しかしもう一人、演技達者なあの人のことを忘れてはいけません。田村心(竹内涼真)の姉・鈴の少女時代を熱演した白鳥玉季さんです。ちょっと拗ねているようでどこか甘えていて、微妙に揺れる多感な少女期の人物を演じさせたらこの人の右に出る子役はいない。それほど巧い! まだ10才だそうですが、大人以上の演技を見せることもしばしば。今回は家族の絆を描き出す佐野家長女役で活躍しましたが、例えば2019年7月に放送され共感を呼んだドラマ『凪のお暇』では、凪(黒木華)の隣部屋に住む小学生5年生のうららとして登場。この時の演技も、キラリと光っていた。毅然とした態度で「私たち、親が思ってるほど子どもじゃないから」と言い放ったり、凪をかばってくれたり。白鳥さんは今自分が何を求められているのかを的確に察する能力が高く、脚本の中に置かれた役柄の「意味」をしっかりと把握し形にする力があるのでしょう。 しかも、一番重要な点は「やり過ぎない」こと。子役はややもすると感情を過剰に演じる方向に走りがちと思いきや、優れた子役は「引き算」がきちんとできる。白鳥さんはその代表でしょう。もちろん鈴の弟役・番家天嵩くんも過酷な役をよく頑張った。役者としての今後が本当に楽しみです。 一方、そこに立っているだけで「犯人?」と思わせる不気味さを見せつけたのが、石坂校長役を演じた笹野高史さん。こちらは70代、いぶし銀です。「前から校長先生があやしいと感じてきた」「真犯人と繋がっているのは校長」と犯人捜しブームの話題をひっさらった観が。 森昌子や山口百恵のファンだった、と昔を懐かしむ校長の口調が、どこか不気味。笑う姿がなぜか怪しい。しゃべるシーンだけで異化効果を生む。あの人が真犯人でないかと視聴者をザワつかせる。さほど多くの時間登場したわけでもないのに、奇妙な節回しとそのたたずまいが強い印象を残しました。 団塊の世代の笹野さんは、そもそも東大安田講堂事件のニュースをテレビで視て自由劇場に飛び込んだという反骨の人。「どんな役にもカッコよさがある」をコンセプトにしているとかで、『コメディお江戸でござる』(NHK)からイマドキの携帯電話CMまで、多種多様な舞台に登場して時代の中で輝く。その振り幅が素晴らしい。「レジェンド笹野じいさん」の存在感に圧倒されます。 このドラマは中心軸に集中力の高い竹内涼真さんを据え、緊張感を保ち、周りには優れた子役や齢を重ねた個性派俳優を配して、強烈な印象を刻みつけた。特に大詰めにおいて子役とじいさんの力による効果は絶大だったと言えるのではないでしょうか。犯人捜しの謎解きだけでなく実は「役者を見せるドラマ」だったのでしょう。若者のテレビ離れなどと言われる昨今、人間の魅力をきちんと表現できれば世代を超えて視聴者を揺さぶるドラマも作り得る、ということを証明した画期的な作品だったと思います。
2020.03.28 16:00
NEWSポストセブン
番組公式HPより
『テセウスの船』最終回で最高視聴率を記録するであろう理由
 放送開始とともに評価を上げてきた作品がいよいよ大団円を迎える。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が考察した。 * * *『知らなくていいコト』そして『恋はつづくよどこまでも』と、いずれも惜しまれながら幕を閉じ、最終話の視聴率が「自己最高」を記録。有終の美を飾るケースが続いています。数字が右肩上がりということは、視聴者が期待するドラマに仕上がった証しでしょう。同時に、コロナ騒動の影響で外へ出かけられない分、いつも以上にテレビドラマに熱い視線が注がれている、と言えるのかもしれません。 さて、いよいよ明日最終回を迎える『テセウスの船』(TBS系日曜午後9時)はどうか? ネット上ではすでに考察ブームが巻き起こっていて「音臼小事件の真犯人は誰なのか」真相究明に向けてさまざまな仮説が披露されています。この流れだと、犯人が判明する最終回に最高視聴率をたたき出すことはほぼ間違いなさそう。盛り上がりを前提としつつ、あらためてこのドラマを振り返ってみたい。その見どころ・味わいどころとは……。●全編に張り詰めた緊張感 第一に、「誰もが容疑者に見えてくる」その張り詰めた緊張感の持続がすごい。「あれこの人が怪しいな」と思わせたとたん、また次の疑惑の人物が浮上してきてまた次の人が……という展開の鮮やかさ。振り返れば、全話を通して弛むスキが無かったと言えそうです。●役者の配置の見事さ 役者たちの「配置」ぶりも見事でした。子どもから大人まで、少女からおじいさんまで。父、母、息子、娘、警官、教師、農家、記者、工場のパート、商店主……バラエティ豊か。性別も年齢も職業も立場もいろいろな人物が、まるで星座のように配置されていて、入れ代わり立ち代わり個性的キャラクターが出てくる面白さ。「村」というコミュニティのリアルさとはそういうことでしょう。●演技力と集中力 抜擢された役者一人一人が、持てる力を最大限発揮したことも魅力的でした。例えば主人公・心を演じる竹内涼真さんの眼は、始終潤んでいる。感情が極限まで達した臨場感がその瞳から感じられ、役になりきる集中力の凄さが伝わってくる。一方、父・佐野文吾役の鈴木亮平さんは優しくて包容力があり、どこまでも善い人を演じ切った。父と子、それぞれの持ち味をしっかりと出した二人の対置には文句の付け所がありません。 女優たちの迫力も見逃せない。麻生祐未さん演じる木村さつきの不気味さ。榮倉奈々さん演じる母・和子のまっすぐさ。そして物語の中盤には、局面を変える力となった記者・由紀役・上野樹里さんの存在感。たった数分間の由紀の演説によって、ドラマの質が一段と濃密になった。今でもその余韻に浸ることができます。●ロケが生きる映像 殺伐とした山の稜線、森林と不気味な雪景色。ロケだからこそ、場所性がくっきりと浮かび上がる。どこにでもあるオフィス街では描けないであろう、独特の陰鬱とした雰囲気。どんよりとした集落の空気、過去の陰惨な事件と絡み合う人間関係…場所に潜む「怖さ」というものを感じます。そう、『八墓村』をはじめとして集落での殺人事件というミステリーの系譜上にこの作品も立っている。その意味で過酷ではあってもロケは必要不可欠であったし大きな効果を発揮しました。 いよいよ犯人が特定される最終回。終わりだからこそ謎解きに留まらず父と子、人と人との絆を描いたヒューマンストーリーとして完結して欲しい。「善人」「正義の味方」として描かれてきた佐野文吾はいったいなぜ、いかなる時に「殺人犯」の刻印を押される運命を担ったのか。表層的な嫉妬や恨みといった次元を超えて、人の業のようなものが潜んでいるはず。深淵なる理由をきっちりと描き出し「そうだったのか」と納得させて欲しい。また、タイムトリップ前には最愛の妻であり、現代においては記者・由紀を演じた上野樹里さんの存在も気になってしかたがない。最終回、人間ドラマの醍醐味をぜひとも期待します。
2020.03.21 16:00
NEWSポストセブン
竹内涼真主演で話題の『テセウスの船』(公式HPより)
4週連続記録更新、『恋つづ』『テセウス』快進撃2作の共通点
 冬ドラマが終盤を迎えているが、今クールで高視聴率を記録しているのが『恋はつづくよどこまでも』『テセウスの船』(いずれもTBS系)の2作だ。快進撃を続けるこの2作には、共通点があるという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 10日に放送された『恋はつづくよどこまでも』第9話の視聴率が自己最高を更新する14.7%を記録。これで第6話10.9%から、第7話11.9%、第8話12.1%、第9話14.7%と4週連続で自己最高を更新し、まさに右肩上がりで次週の最終話を迎えることになりました(ビデオリサーチ、関東地区)。 4週連続で自己最高を更新したのは、『恋はつづくよどこまでも』だけではありません。同じTBSの『テセウスの船』も、第5話11.8%、第6話13.2%、第7話14.0%、第8話15.3%と右肩上がりで終盤を迎えているのです。 大半の連ドラが「最高視聴率は第1話」という尻つぼみの状態に陥る中、なぜTBSの2作は快進撃を続けているのでしょうか。まったく異なるジャンルの作品であるにも関わらず、いくつかの共通点が見られるのです。◆プライム帯初主演の若手俳優を抜てき 1つ目の共通点は、プライム帯(19~23時)初主演の若手俳優を抜てきしたこと。『恋はつづくよどこまでも』は22歳の上白石萌音さん、『テセウスの船』は26歳の竹内涼真さんが主演を務めています。 その他の作品に目を向けると、『絶対零度 未然犯罪潜入捜査』(フジテレビ系)は52歳の沢村一樹さん、『トップナイフ ―天才脳外科医の条件―』(日本テレビ系)は52歳の天海祐希さん、『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)は44歳の伊藤英明さん、『病院の治しかた ~ドクター有原の挑戦~』(テレビ東京系)は41歳の小泉孝太郎さん、『ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~』(テレビ朝日系)は40歳の桐谷健太さんと32歳の東出昌大さん、『10の秘密』(カンテレ、フジテレビ系)は38歳の向井理さん、『アライブ がん専門医のカルテ』は35歳の松下奈緒さん、『知らなくていいコト』(日本テレビ系)は31歳の吉高由里子さんが、それぞれ主演を務めています。 いずれも30~50代である上に主演経験の豊富な顔ぶれであり、快進撃の2作が「いかに若手を大抜てきしたのか」がわかるのではないでしょうか。実際、上白石さんと竹内さんの主演は新鮮な印象を与えるとともに、若さあふれるストレートな演技で視聴者の心をつかむなど、快進撃の要因になっています。 さらに、上白石さんを佐藤健さんや香里奈さん、竹内さんを鈴木亮平さんや上野樹里さんなどの「主演経験豊富な先輩俳優が助演として支える」という形も共通していて、若さや勢いだけでなく見ごたえのある作品に昇華させています。◆あふれる愛情を熱っぽく伝える主人公 もともと『恋はつづくよどこまでも』も『テセウスの船』も漫画原作の実写化であり、前者は2016年~2019年、後者は2017年から2019年と、ほぼ同じ時期に連載されていました。 2つ目の共通点は、あふれんばかりの愛情を熱っぽく伝えるピュアな登場人物たち。新型コロナウイルスの感染拡大などの暗いニュースが続いているだけに、愛情たっぷりの登場人物たちに引かれるのは当然なのかもしれません。また、主人公が「大切な人のために体を張る」「どんな困難でも向き合う」、“勇者”である点も似ていますし、どちらも視聴者に「応援せずにはいられない」と思わせるタイプのキャラクターなのです。 最後に挙げておきたい共通点は、ネットと相性のいいストーリー。『恋はつづくよどこまでも』は“デレキュン”と名付けられた甘いシーン、『テセウスの船』は長編ミステリーならではの犯人考察を中心に、今冬では断トツのツイート数を叩き出しています。 視聴率が右肩上がりになるのは、ネット上の評判を見て途中から見はじめる人や、録画か配信で時間差視聴していた人が、リアルタイム視聴するようになったから。ドラマを見ながらSNSに書き込んで盛り上がるだけでなく、ドラマを見る数時間前からSNSに書き込んで盛り上がれる。さらに、ドラマを見終えた直後にSNSに書き込んで盛り上がれるストーリーが、両作の快進撃を支えています。 まもなく迎える最終話の視聴率はどこまで上がり、ネット上の書き込みはどのくらい盛り上がるのでしょうか。どちらの視聴者も最大級のハッピーエンドを望んでいるだけに、それが見られたときの反響が今から楽しみです。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2020.03.12 16:00
NEWSポストセブン
竹内涼真主演で話題の『テセウスの船』(公式HPより)
『テセウス』『10の秘密』に残酷なまでの明暗、その理由は?
 医療モノや刑事モノが多い今期ドラマにあって、長編ミステリーというジャンルに挑んだ2作が『テセウスの船』(TBS系)と『10の秘密』(カンテレ、フジテレビ系)だ。だが、この2作品、視聴率でも、ネット上の評価でもはっきりと明暗が分かれてしまった。その違いはどこにあるのだろうか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 2020年1月スタートの冬ドラマは、プライム帯(19~23時)に放送される16作のうち、医療現場が舞台のものが6作、刑事事件を扱ったものが6作放送され、その大半が一話完結型の物語であるなど、これまでにないほど作品ジャンルと構成の偏りが見られます。 偏ったことで必然的に注目度が上がったのは、『テセウスの船』と『10の秘密』の2作。どちらも近年「視聴率が獲れない」と言われ、めったに見られなくなった長編ミステリーであり、その点で文句なしの意欲作です。 しかし、1か月あまりが過ぎた今、残酷なまでの明暗が分かれてしまいました。序盤は両作とも放送日にネット上の話題を席巻していたものの、中盤に入ると『テセウスの船』が「今期最高のドラマ」と言われ、犯人の考察で盛り上がる一方、『10の秘密』は書き込みそのものが減ってしまったのです。 視聴率に目を向けても、『テセウスの船』は第1話から11.1%、11.2%、11.0%、11.0%、11.8と安定し、最新話が自己最高を更新。新作ドラマの中で『トップナイフ -天才脳外科医の条件-』(日本テレビ系)と熾烈な首位争いをしています。一方の『10の秘密』は8.9%、7.9%、6.7%、6.2%、5.4%、6.4%と1桁中盤で停滞。とりわけ2月に入ってからプライム帯で放送される民放ドラマの最下位に陥り、「視聴率が下げ止まらず」「打ち切り寸前」と報じられるなど厳しい結果となっています。 なぜ「今期最高と書き込み減」「視聴率首位争いと最下位」という残酷なまでの明暗が分かれてしまったのでしょうか。◆ハイリスク、ハイリターンの長編ミステリー『テセウスの船』が「今期最高」と言われる理由には、テンポのいい物語に加え、雪山での壮大なロケ、寒さの中で際立つ主演俳優・竹内涼真さんの熱演、家族役に朝ドラと大河ドラマの主演を4人そろえた、シリアスな事件の中に家族の温かさを感じるシーンなどが挙げられます。 冬らしい季節感の漂うドラマは当作だけであり、そこで実力派の俳優たちが熱演しているのですから、支持されて当然でしょう。加えて、2話終了時に探偵学校の講師と生徒を集めた「考察大会」を行い、そこで原作者が「犯人は原作漫画とは異なる」というコメントを発表し、「#犯人考察」というハッシュタグを押し出すなどPRの工夫も見られました。つまり、プロデュースのすべてが機能しているのです。 一方、『10の秘密』は、ネット上のコメントを見続けていると、目につくのは「なかなか話が進んでいかない」「思っていた通りの秘密だった」など物語への不満。同作はオリジナルだけに、一から物語を構築していく難しさが出てしまったのかもしれません。「ふだんと違う向井理の姿は新鮮」「渡部篤郎、佐野史郎、仲里依紗、名取裕子などいい俳優をうまく使ってほしい」という声が散見されるなど、キャストへの不満はさほどないようです。 長編ミステリーの見せ場は終盤だけに、『10の秘密』も、どん底の現在よりは盛り上がるでしょう。しかし、それでも中盤でここまで厳しい結果となってしまった以上、「『テセウスの船』のように絶賛や高視聴率を得ることは難しい」と言わざるを得ないのです。 もともと長編ミステリーは、回を追うごとに「謎が深まる」「登場人物への愛着が増す」など視聴者の熱が上がりやすい反面、「一度見逃すと二度と見てもらえない」というリスクの大きいジャンル。いわゆる「ハイリスク、ハイリターン」のギャンブル的な要素が濃く、その賭けに『テセウスの船』は勝ち、『10の秘密』は負けてしまったのです。◆当初の不安を払拭した『テセウスの船』 両作が放送されている“ドラマ枠”の力が影響を及ぼしていることも間違いありません。『テセウスの船』が放送されている「日曜劇場」は60年超の歴史を持つ伝統枠であり、日曜夜で視聴者層も広く、常に視聴率首位争いをしているなど、「多くの人々に見られ、いい作品なら評価されやすい」という環境が整っています。 一方の『10の秘密』の「カンテレ火9ドラマ」は、他枠とは一線を画すアグレッシブな制作姿勢で固定ファンこそいるものの、現在10作連続1桁視聴率と大苦戦中。低迷が続いていることで、いい作品でも第1話の段階から見てもらえるチャンスが少なくなっているのです。 現在は残酷なまでの明暗が分かれていますが、『テセウスの船』も放送開始当初は決して順風満帆とは言えない状態でした。タイムスリップをベースにしたファンタジーに嫌悪感を示す人や、「老けメイクがひどい」「平成元年ネタが寒すぎる」と批判する人が少なくなかったのです。 それらの声を払拭したのは、前述した雪山ロケ、俳優たちの熱演、原作の犯人を変える脚色、PRイベント。言わば、スタッフとキャストの惜しみない努力で不安材料を吹き飛ばしてしまったのでしょう。 両作ともに群を抜いて志の高いドラマであったことは疑いようがありません。また、厳しい状況にあるものの、『10の秘密』は決して酷評されるような質の低い作品ではないでしょう。だからこそ、まだ中盤の段階で、これほどの明暗が分かれてしまう現在のドラマシーンの厳しさを感じずにはいられないのです。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2020.02.23 07:00
NEWSポストセブン
番組公式HPより
上野樹里と吉高由里子が「週刊誌記者」を演じる不思議な符合
 偶然なのか時代がもたらす必然なのか、定かではないが、今クールのドラマでは、強く美しい女性の活躍が目立つ。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。 * * *「魅力的な、堂々とした、見事な、気前のよい、巧みな」。英語の「ハンサム」の意味を調べると、そんな言葉が出てきます。ハンサムはかつて主に男性に使われてきた言葉でしたが、今や「ハンサムウーマン」という言葉もしばしば耳にします。 社会で活躍する女性が増えたこととも関係あるのかもしれませんし、NHK大河ドラマ『八重の桜』(2013年)で主人公・新島八重が男装して戦いに参加、夫から「ハンサム」と言われたことが広く知られてより一般化したのかもしれません。 そう、“ハンサムな女性”とは美しくかつ堂々として強さや勇気を持つ人のこと。今期のドラマの中に、まさに惚れ惚れするような「ハンサムウーマン」がいます。その筆頭が『テセウスの船』(TBS系日曜午後9時)で由紀役を熱演している上野樹里さん。『テセウスの船』の物語は……主人公・田村心(竹内涼真)が、過去と現在をタイムスリップしつつ、殺人事件の犯人にされた父の無実を証明しようと格闘するミステリー。冒頭、主人公の妻・由紀という役柄で登場した上野さんは、心がタイムスリップして過去から戻ってくると、今度は真実を追究する週刊誌記者として再登場。主人公を支え励ましていく。一人二役とトリッキーな物語設定ですが、上野さんの説得力ある演技で不自然さを感じさせません。 毅然としたその態度、凜とした目つき、揺らがぬ信念と強さ。とにかく上野さんの顔つきが清々しくて格好よくて思わず見とれてしまったのが、第4話終わりのシーンです。事件の被害者の会合で、記者・由紀は壇上に駆け上る。「事件の真実を追究すべき」「今犯人とされている男は濡れ衣をかけられているかもしれない」「もしまだ語っていないことがある人はぜひ口を開いて欲しい」と熱く説く。聴衆から水をかけられても動じず、しっかりとマイクを握りしめ、一つ一つ丁寧に言葉を紡ぎ出す力強さには泣けた。目を奪われてしまった視聴者も少なくないはずです。 第5話でもそうでした。心が折れそうになる主人公に対して「私は諦めません」と力強く励まし包み込む。「ハンサムウーマン」度がぐーんとうなぎ登りです。 もちろん、由紀を演じる上野さん自身の演技が素晴らしいことは言うまでもないのですが、彼女の「ハンサム度」がこれほどまでに引き出された要因として、主役・竹内さんの集中力と真に迫る演技力も見逃せない。目を潤ませてギリギリの瀬戸際に立つ人物を熱演する竹内さん。「どうしても冤罪の父を助けたい」という切迫感が画面に溢れ、それに反応して上野さんも揺さぶられ互いに影響しあう。まさに二人の役者の往復運動が見所です。 人間が演じるからこそドラマは面白い。一人の言葉が相手に影響を与え相手を変え、それがまたブーメランのように戻っていく。このドラマは芝居の持つ醍醐味を見せてくれています。 さて、今期ドラマを見回すともう一人の「ハンサムウーマン」が。『知らなくていいコト』(日本テレビ系水曜午後10時)で週刊誌記者・ケイトを演じている吉高由里子さん。こちらも自分の足でしっかりと立つ芯の強い女性記者を好演。母が急死し、重大な出生の秘密を知らされて真実を追究していく役どころです。 ドラマの中では恋愛模様もしっかり描かれるけれど、ケイトは相手とあくまで対等な関係で、後輩の男性たちからは「カッコイイ」と慕われるハンサムウーマンです。 奇しくも、上野さんと吉高さん二人の役柄はともに「週刊誌の記者」。ちょっと不思議な符合。この世の中で正義・強さ・輝き・打開力といった「ハンサム」度を求めると、そんな職業イメージになるのでしょうか? あっ、もう一人ドラマの中にいました、「ハンサムウーマン」が。『ハムラアキラ』(NHK総合 金曜午後10時)で主人公・晶を演じるシシド・カフカさんも切れ味のいいハードボイルド女探偵を好演中です。ドラマは社会を映す鏡。ハンサムウーマンが実際に活躍している時代というよりは、「ハンサムウーマンがいて欲しい」「活躍できる社会になって欲しい」という願いが結実した結果、複数のハンサムウーマンたちがフィクションとしてのドラマの中で躍動している、ということなのかもしれません。
2020.02.22 16:00
NEWSポストセブン
番組公式HPより
竹内涼真『テセウスの船』が『麒麟がくる』を凌駕していた点
 最近は録画視聴が当たり前になっているとはいえ、ほぼ同時間帯に放送されるドラマとなればそのクオリテイの差はどうしても気になるものである。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が日曜劇場と大河ドラマについて分析した。 * * * NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の話題にかき消された観もある、竹内涼真主演のTBS日曜劇場『テセウスの船』(午後9時)。大河のスタートと同日の1月19日に第1話がスタートし、初回視聴率は11.1%と二桁台に載せました。この状況下ではなかなかの好発進と言ってよいでしょう。予断を持たずまっさらの状態で視聴し、終わった後に強い印象を抱いた視聴者もいたのでは? 何と言っても「竹内涼真」という俳優の、凄まじい集中力が画面にみなぎっていたからです。『テセウスの船』は、東元俊哉氏による漫画が原作の連続ドラマ。主人公・心(竹内涼真)は警察官の父が起こした殺人事件が元で、小さな頃から肩身の狭い生活をし差別的待遇も受けてきた。大人になり結婚しても、最愛の妻は出産を機に亡くなってしまう不幸。「あなたの父親を信じてみて」という一言を残した妻。それが事件の謎を追うきっかけとなり、心は父・文吾が事件を起こした雪深い田舎の村の現場へと向かう。すると、事件が起こる前の1989年へと心はタイムスリップしてしまい、父と出会い……。 主人公が「31年にタイムスリップ」して「実の父親と息子が対話する」という、考えてみれば非常にトリッキーな展開。それがあまりにフィクショナルに過ぎて、少し間違えれば「荒唐無稽」に転落しそう……というギリギリの所で、視聴者の心配を見事に押さえ込みグイグイと物語世界の中へ引っ張り込んでいった。荒技を見せた竹内涼真さんがアッパレです。 緊張感と集中力が途切れず一時も気を抜かず、「父の本当の姿を探す男」になりきって叫ぶその迫力。もしかしたら、プロサッカー選手になるため練習に励みヴェルディのユースチームで培ってきた闘争心と捨て身の勝負心が、いよいよ俳優業で結実したのかもしれない。そう思わせてくれる程の凄まじい集中力で、視聴者は画面から目を離せなくなりました。 そしてもう一人、成りきり力の凄い役者が父・文吾役の鈴木亮平さん。殺人犯として新聞に掲載された写真の顔は、目をひん剥いた形相。小さな白黒写真がこうも物語らせるパワーを持っているのか、とびっくりするほど。それくらい鬼気迫る目付きです。「役者の気力」がドラマを牽引していく原動力なのだ、という実にシンプルで本質的なことを、改めて感じさせてくれた初回でした。 もう一つ、絵空事の物語の中で視聴者を迷える子羊にしないための優れた仕掛けがありました。それが「見取り図」です。過去にどんなことがあったのか。親子関係は。今の状況は。コンパクトで的確な見取り図を提示した。この点は同日スタートの大河ドラマ『麒麟がくる』を凌駕していたと言ってもいいほど。 大河ドラマの初回は、明智光秀、松永久秀、斎藤道三といった独特な「キャラクター」が立ち上がってきていましたが、一方で時代背景や各武将たちがどこをどう支配しどんな緊張関係に置かれていたのか、といった全体の「見取り図」の方はちょっともの足りなかった。過去の歴史を描く大河ドラマでは特に、こうした見取り図は不可欠のはず。今後の展開を円滑にして視聴者が物語のポイントを把握するためにも、重要な要素になる。大河の初回はキャラクターを際立たせることに熱中になりすぎた観もあって、「見取り図」の描き方については『テセウスの船』の方に軍配が上がりそうです。『テセウスの船』という謎めいたタイトルも意味深です。その言葉とは何なのか、調べてみるとギリシャ神話の中のエピソードだとか。「英雄テセウスの船を後世に残すには、老朽化した部分を新しいものに交換する必要がある。しかし部分を新しくした時、果たしてその船はもとの船と同じと言えるのか」という哲学的問いのこと。「同一性とは何か」という命題です。 実は日本にもよく知られている事例があります。伊勢神宮の式年遷宮は20年経るごとに作り替えていく独特な文化的様式で、建物の柱や屋根などすべて新しい材に取り替えられますが、出来上がったものは「伊勢神宮」として認識されます。これもよくよく考えてみると、式年遷宮の前と後とで「同じ」と言えるのかどうか。同一性のパラドックスの一例とも言えそうです。 という一風変わった意味深なタイトルを持つこのドラマ。スリリングなミステリーの根底に、深淵なる問いも横たわっていそう。ぜひ緊張感を途切らせることなく、竹内・鈴木両俳優がガンガン視聴者を引っ張っていって欲しい。そして、「犯人は誰か」という謎解きに留まらず、「同一性とは何か」という哲学的思索にも触れつつ、独自のドラマ世界を描き出してくれることを期待しています。
2020.01.25 16:00
NEWSポストセブン
二宮主演で話題を呼んだ『ブラックペアン』(公式HPより)
二宮和也、嵐活動休止後第1弾は『ブラックペアン』続編か?
 東京近郊にある国内最大規模のスタジオ。1月中旬の平日、そこに嵐のメンバー5人が勢ぞろいした。「スマホゲームの新CM撮影を行っていました。撮影は順調に進み、予定より早く終わりましたよ」(撮影スタッフ) 活動休止前のラストイヤーを迎えた嵐は多忙な日々を送る。今年はグループでの活動を最優先していくというが、「各メディアは、2021年以降のオファーをすでに準備しています。特に二宮和也さん(36才)には映画やドラマのオファーが多いようです」(芸能関係者) 二宮の活動休止後の第一弾として、名前が挙がっているのがドラマ『ブラックペアン』(TBS系)の続編だ。 海堂尊氏の人気小説を原作にしたこのドラマは2018年4月クールで放送され、二宮は「オペ室の悪魔」と呼ばれる天才外科医・渡海征司郎(とかいせいしろう)を演じた。手術ミスをして青ざめる医師に「1000万円でもみ消してやる」「腕のいい医者は何をやってもいいんだよ」と言い放つダークヒーロー的なキャラクターで、二宮の新境地を開拓した役柄である。「当時、プロデューサーは“スーパーアイドルながら、役者になるために生まれてきたと思えるぐらいの才能の持ち主”と、褒めたたえていました。二宮さんも、それまであまりなかった“ブラックな役柄の作品”に出演することに意欲的で、“モノマネされるようになるぐらい、しっかりキャラクター化しなければ”と挑んでいました」(TBS関係者) この作品を最後に二宮はテレビドラマに出演していない。「二宮さんとしても役に入りやすいと思います。ドラマの関係者は、“嵐の活動休止後初となる二宮さんのドラマをやりたい”と強く思っているようで、2021年の7月クールを目指していると聞いています」(前出・芸能関係者) 次作の放送にはハードルもある。原作には続編があるが、渡海は登場しないのだ。しかし、ドラマの関係者たちが実現にかける思いは、2年前からあったようだ。「前作の最終回となる第10話の台本の表紙には最終回ではなく、『第10話』とありました。これは、“続編を必ず作る”というプロデューサーの思いによるものでした。また、原作の主人公は竹内涼真さん(26才)演じる研修医の世良雅志でしたが、ドラマでは渡海に変えた。もともとオリジナルの要素も強いドラマなので、二宮さんが主人公のままの続編も用意できるはず」(前出・TBS関係者) 嵐の活動休止後も、彼らはさらに走り続ける。※女性セブン2020年2月6日号
2020.01.23 16:00
女性セブン

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クルマ、ギター、アート、スケートボードにもこだわる
長瀬智也、英国のバイク誌に登場 悠々自適な暮らしに「所ジョージ化している」の声
女性セブン
京都の街を歩く舞妓のイメージ(写真/イメージマート)
元舞妓の〈16歳飲酒〉〈お風呂入り〉告発に、花街関係者も衝撃「未成年飲酒には厳しく対応しているはず」
NEWSポストセブン
結婚し、日本メディアが情報をキャッチしづらいNYで、デイリーメールが追跡取材(写真/JMPA)
小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
NEWSポストセブン
不祥事を理由に落選したはずなのに、比例で復活されては…(左は塚田一郎氏、右は中川郁子氏/写真=共同通信社)
「不倫路チュー」「USBは穴に…」失言・不祥事で落選しても比例復活するゾンビ議員たち
週刊ポスト