「イラクの問題は病気だけじゃない。病気の子はきちんと治してあげなければいけないけれど、不遇の子どもたちにも愛情をもって、尊厳ある人間として接していくことが必要だ」
イラクでは、ISが撤退し、暴力が横行する日々は一段落した。だが、憎しみや不満は社会に深くはびこっている。彼のように、その芽を根気強く摘み取ろうとする「愛の人」が増えたら、世界はもっと住みやすくなるに違いない。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。近著に、『人間の値打ち』『忖度バカ』など。
※週刊ポスト2018年9月14日号