毎週、オンエアはチェックしている
キートン:放送初期の頃、前編・後編にわける形が続いていました。CMのちょっと前に1秒半くらいの間があったので、見ている人のことを考えて、わかりやすく「後半に続く」と言ってみたんです。それはテストでしたが、本番でも録って、放送されました。当時はさくらさんが脚本を書いていたのですが、その収録以降、さくらさんの手で「後半へつづく」と台本に書かれるようになりました。
――『ちびまる子ちゃん』のナレーターとして、意識していることは?
キートン:『ちびまる子ちゃん』が決まる前に挫折があってね。アニメブームの終息と共に声優の仕事がなくなって、転職も考えました。これからどう生きようかって時に、先ほど言った“番宣”の仕事が舞い込んだので、とにかくありのままの自分を出していこうと決めたんです。自然体でやろうと。この仕事を続けられるのは『ちびまる子ちゃん』のおかげです。
普通の声に近い声でやるから、ちょっとでも風邪をひくと、影響されやすい。バラエティーとか旅番組は声を作ってるから、ある程度、勢いでできるんです。でも、『ちびまる子ちゃん』の場合はごまかせないから緊張します。体調管理、音を保つのが本当に大変。自然体は作る芝居より難しいので、神経を使います。
――体調を崩して、収録できなかったことは?
キートン:恥ずかしながらあります。風邪をひいて、3週ほどダメだった。3、4週間分は撮り溜めしているから、穴を開けずにすみましたけど。風邪をひいた時は、ぼく以外のみんなが集まって収録して、ぼくは後から一人で一気に収録しました。それは放送が始まって1、2年の頃で、それからは休んだことはありませんよ。
――毎週、オンエアは見てるんですか?
キートン:見てますよ。まだ幼い孫と一緒に見ていると、ぼくの顔を見て、テレビを見て、不思議そうな顔をします。向こうでしゃべってるのかなって、テレビの裏にぼくを探しに行ったりもします。
『ちびまる子ちゃん』って、どこにでもありがちな家族だから誰でも共感できるし、3世代で暮らしているだけで“ドラマ”だよね。今はめっきり減りましたからね。それに、まる子を含めて個性的なキャラクターが出てくるし、だから声優陣も個性的だし、芝居している姿を見ているのも楽しいよ。みんな年齢を忘れて演じてますから、小学3年生を。
――収録現場の様子はどんな感じですか?