3社目のバーガー経営で辣腕を振るう紫関修社長

 1984年に青山学院大学法学部を卒業した紫関氏は、学生時代にアルバイトしていたホテル業界に興味を持ち、東急ホテルチェーンに入社。5年在籍した後にMBA(経営学修士)取得のためにボストン大学に留学。帰国後は、さくら総合研究所(現・日本綜合研究所)に入社。そして、3年後に日本マクドナルドに転職する。

 なぜ、コンサル会社からハンバーガー業界に飛び込んだのか。以前、経済誌のインタビューでこう語っている。

〈コンサル会社って相手先企業と併走するといっても、実際に会社を動かせるわけじゃないでしょう。やっぱり実業に戻りたいと思ったんですね。たまたま当時、株式上場に向けた準備に入っていたのが日本マクドナルドで、経営企画部の補強で人材を募集していることを知りました〉(『月刊BOSS』2018年1月号より)

 マクドナルドには約8年間在籍し、経営企画部で中期計画や予算などを決めていたという紫関氏。とんとん拍子に出世して執行役員になる一歩手前まできたと打ち明けるが、そこでもきっぱりと転職を決意する。

〈サラリーマンのゴールって社長じゃないですか。自分の残りの人生を考えた時、自分で物事を決めたいというか、言い方は難しいですが、責任をもって、もっと何か大きな仕事をしてみたいと考えたわけです〉(前出『月刊BOSS』インタビュー)

 つまり、会社の事業内容や方向性をすべてジャッジできる“経営者魂”が芽生えたというわけだ。

 マクドナルドを去った2005年以降は、ゴルフパートナー副社長、ユニマットホールディング執行役員など、本格的に企業経営にタッチするようになる。そして、2012年より携わったのが、フレッシュネスバーガーの経営だ。同チェーンはちょうど創業者が辞任する事態となっていたことから、マクドナルドでの経験が買われ紫関氏に白羽の矢が立ったのだ。フレッシュネスバーガーでは副社長、社長の肩書きで4年間舵取りをした。

 奇しくも12年間ハンバーガー業界に身を置いてきた紫関氏。そして、2016年の再編に伴い、今度はファーストキッチンの社長に招聘され、そのままウェンディーズの社長も兼務し、現在に至る。

 いまや「ハンバーガービジネスの表も裏も知り尽くしている経営者」(外食業界関係者)との定評が生じるまでになった紫関氏だが、競争の激しいハンバーガー業界で生き残っていくのは、そう生易しいことではない。大手チェーンのみならず、近年は外資系のグルメバーガーも続々と日本進出を果たし、顧客の奪い合いが起きている状況だ。それは紫関氏自身も十二分に認識している。

「いくら歴史あるファーストキッチンとウェンディーズのWブランドといっても、若い人たちの認知度はまだまだ。常に新しいことにチャレンジし続けないと、すぐに忘れられてしまいます。そういう意味では、この原宿店は今後コラボ店舗を拡大させていくうえでのフラッグシップに値するロケーションだと思っています」(紫関氏)

 2020年に既存のファーストキッチンの転換を軸に100店舗のコラボ店オープンを目指す紫関氏。最後に古巣であるマクドナルドへの対抗策を聞いてみると、「マックと勝負するなんて、おこがましいですよ」と苦笑いしつつも、こう意気込みも覗かせた。

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