いま、体が不自由でひとりではなかなか外出が難しい方のために、「UD(ユニバーサルデザイン)タクシー」や「介護タクシー」と呼ばれるものが登場している。この2つの違いは、一般向けか要介護・要支援者向けであるかの差。
「UDタクシー」は広々とした空間で、車椅子に乗ったまま乗車できるが、あくまで一般向け。料金も一般のタクシーと同じだ。一方の介護タクシーは、公共交通機関での移動が難しい人を対象にしたもの。車椅子やストレッチャーを乗せられ、予約を必要とする。料金の確認も必要だ。
次世代タクシーJPN TAXIは、開口部につり革などが配置され、乗降しやすい。『サポートタクシー』は介護職員初任者研修、普通救命技能認定、福祉用具専門相談員などの資格を持つエキスパート・ドライバーが担当している。UD車両の指定もでき『サポートタクシー』の約8割はJPN TAXIで運行中だ。
一方の「介護タクシー」。ドライバーであるアシストキャブ龍馬の木本誠二さん(60才)はこう語る。
「介護タクシーは8割近くが通院利用です。介護度の重いかたの利用も多いのですが、よく感じるのはどんなに弱っても“外に出かけたい”という思い。私も旅好きなのでよくわかるのです。いつもと違う風景に出会うだけで気持ちが弾む。ですから、近距離の移動でも街路樹の美しい道や眺望のよい道を選び、またトイレ休憩に高級ホテルを選ぶなど、小さな旅が少しでも心躍るものになるよう心掛けています」
全国を飛び回った営業マンから転身。トラベルサポーターの資格を生かし、日常の移動から観光までをアシストする木本さん。「外へ出かけたい」という願いを叶えたいという思いは強い。首都圏約200台が加盟する一般社団法人「福祉移送ネットワークアイラス」副理事長も務める。
※女性セブン2018年10月4日号