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満蒙の引揚者が入植した開拓地に眞子内親王をお連れした理由

今年6月、福島での全国植樹祭にて 共同通信社

 被災者を見舞う時も、戦没者を慰霊する旅でも、今上陛下の傍らには常に美智子皇后がいる。折々に発せられた、そのお言葉の意味を皇室ジャーナリストの山下晋司氏が読み解く。

 * * *
 8月15日、今年も両陛下は全国戦没者追悼式にご臨席され、平和を祈念されました。お言葉で、天皇陛下は戦争の過ちを繰り返さないよう過去の歴史に学ぶ大切さをおっしゃっています。皇后陛下も同じお気持ちであることが次のお言葉に表れています。

《経験の継承ということについては、戦争のことに限らず、だれもが自分の経験を身近な人に伝え、また、家族や社会にとって大切と思われる記憶についても、これを次世代に譲り渡していくことが大事だと考えています》(平成17年お誕生日)

 来年5月、皇室の中心は戦後生まれになります。昭和8年生まれの天皇陛下が物心つく頃から小学6年生になるまで、日本はずっと戦争をしており、陛下は身をもって戦争を体験された。1歳下の皇后陛下も、空襲で父方の叔父を亡くす経験をされている。

 両陛下にとって戦争は自ら体験した現実ですが、戦後生まれの世代はそれを体験することも、目にすることもできません。

 時代とともに当時の話が薄れていくことは仕方がないとしても、皇后陛下は、戦争を知る世代の経験や記憶を、次世代に継承したいと願われていると思います。

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