ライフ

プレイバック平成九年 東電OL事件、酒鬼薔薇、失楽園

日本中が震撼する事件が起きたのは、平成7年6月28日だった(時事通信フォト)

 残りわずかとなった平成の時代には、いったい何が起きたのだろうか。今回は平成九年を振り返る。

 4月、景気が陰りを見せるなか、消費税導入後、初の税率アップに踏み切った橋本内閣。国民の強い批判を浴びての改正。引き上げ分だけで約9兆円の負担増と試算され、景気後退の大きな要因の1つになったとの指摘も。

 また、秋には証券会社や銀行の金融連鎖破綻が起こり、先行き不安はさらに増大した。

 この年に起きたのが、兵庫・神戸連続児童殺傷事件。2~3月、路上で小学生女児らをハンマーや金づちで殴り、女児1名が死亡。5月、中学校正門前に殺害した男児の頭部を置き、「酒鬼薔薇聖斗」の名で「さあ、ゲームの始まりです」等のメモ。新聞社には犯行声明文が送りつけられた。この残忍極まりない犯行が、中学3年生の少年によるものだと発覚した際、日本中が震撼した。少年は医療少年院へ送致。少年法の厳罰化が問われた。

 7月、1982年に愛媛・松山市で同僚を殺害した疑いで全国指名手配されていた福田和子容疑者が福井で逮捕。行きつけのおでん屋での情報が決め手となった。整形手術や偽名を使いながらの逃走劇は約15年間に及び、時効まであと21日での逮捕となった(福田は服役中に病死)。

 渋谷・円山町のアパートで東電OL殺人事件も発生。現在も未解決事件となっている。

 海外ではダイアナ元英皇太子妃を乗せた乗用車が8月31日未明、パリのトンネル内で柱に激突し大破。ダイアナ元妃は出血多量により亡くなった(享年36)。

 アニメ映画『もののけ姫』が観客動員数1420万人を記録し、渡辺淳一原作『失楽園』もドラマ、映画でそれぞれ話題に。

 ヒット商品はエンジンと電気モーターを併用した世界初の量産ハイブリッドカー『プリウス』(トヨタ)。流行語は「ガーデニング」「透明な存在」など。

【平成九年の主な出来事】
3月19日 東電OL殺人事件。遺体発見
3月22日 秋田新幹線『こまち』登場
4月1日 橋本内閣が消費税を3%から5%に引き上げ
5月10日 映画『失楽園』公開。総動員数は250万人
6月28日 神戸連続児童殺傷事件で中学3年生の少年を殺人と死体遺棄容疑で逮捕
7月29日 指名手配犯の福田和子容疑者を福井市内で逮捕
8月11日 山一證券利益供与事件で役員退陣。翌月、山一證券経営破綻
8月31日 英・ダイアナ元妃が仏・パリ中心部のトンネルで交通事故死
10月22日 安室奈美恵がTRFのSAMと電撃入籍(妊娠3か月)
12月9日 介護保険法成立
12月10日 トヨタから『プリウス』が発売

※女性セブン2018年10月25日号

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン