ビジネス

家庭用の「焼き芋メーカー」が予想上回るヒット、需要掴んだ

焼き芋以外に焼きとうもろこしやジャーマンポテト、ホットサンドなどを作ることもできる

 今や焼き芋は専門店が続々と登場し、長蛇の列ができるほどの人気だ。そんなブームに目をつけたのが、扇風機のカモメファンや大人の氷かき器など、ニッチな商品を生み出しているドウシシャ。焼き芋作りに特化したホットプレートを登場させた。自宅で手軽に作れる『焼き芋メーカー』とは?

 焼き芋のおいしい季節になった。スーパーマーケットではさつま芋が並び始め、自宅で焼いているという人も多いだろう。しかし電子レンジやオーブンでいざ手作りしてみると、思った以上に手間も時間も掛かり、屋台のようなホクホクで甘い焼き芋を作るのは難しい。そこで、それを可能にする商品が登場した。それがドウシシャの『焼き芋メーカー』だ。

 これは自宅で手軽に焼き芋を作ることができるホットプレート。付属の焼き芋プレートにさつま芋をセットすれば、後は温度調節ダイヤルを回すのみ。約40分待つだけでホクホクの焼き芋が出来上がる。

 これまで同社は、オーブントースターとノンオイルフライヤーが1つになったノンオイルフライオーブンを販売してきた。このノンオイルフライオーブンの用途を調査してみると、トースターで焼き芋を作ろうとネット検索している人が多いことがわかった。果たして、ユーザーのニーズをすくうべく、『焼き芋メーカー』の開発が始まった。

 ポイントは、ホットサンドメーカーのように、本体上下にヒーターを搭載したこと。包み込むようにじっくり焼き上げることで、熱がさつま芋の芯まで伝わる構造にしたのだ。また、熱が均等に伝わるよう、さつま芋形の焼き芋プレートの表面には、凸凹をつけた。

 ほかにも、本体に平面プレートも付属。ホットサンドや肉・魚料理などを作ることもできる。

 デザインは黒一色のダッチオーブンをイメージ。ふたの中央に温度調節ダイヤルを搭載し、LOW(低温)、MIDDLE(中温)、HIGH(高温)と食材に合わせて調節できるようにした。

 とはいえ、発売に向け、迷いがまったくなかったわけではないという。

「スーパーでは焼き芋が100~200円で売られているなか、『焼き芋メーカー』は1台、1万円台。この価格にユーザーがどう反応するか不安でした」

 そう話すのは、開発担当の榑林利之さん。だが、調査を重ねるにつれ、必ず需要はあるはずという思いが強まり、2017年9月、発売に踏み切った。

 すると、焼き芋器という、ほかにはない珍しさが注目を集め、一気に話題となった。予定していた年間目標販売台数1万台を大幅に超え、3万5000台を突破するヒット商品となっていた。

 今年10月には本体カラーを従来のブラックからホワイトにリニューアルした新モデルが登場。さらに、焼きおにぎり、たい焼き、ドーナツの3種類のプレートが新たに追加され、メニューのバリエーションも豊富になった。

 焼き芋のほか、幅広いメニューを楽しむことができる『焼き芋メーカー』。結婚や新生活など、お祝いの贈り物としても好評だ。

※女性セブン2018年10月25日号

関連キーワード

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン