秋も深まり、都心の木々も色づき始めた。まだ無機質な印象を与える新国立競技場だが、競技場北側、白い屋根のアイススケート場の右手には、三井不動産が手がける神宮外苑ホテル(仮称)の建築が進む(10月3日撮影)。
新国立競技場が目指すのは、神宮外苑の緑と調和する「杜のスタジアム」。建築アナリストの森山高至氏が解説する。
「屋根構造には木材と鉄が組み合わされています。軒庇(のきひさし)に使われるのは、47都道府県から調達した国産のスギ材。スギが育たない沖縄からはリュウキュウマツを調達する予定です。
写真では分かりませんが、競技場脇の道路から庇を見上げると、設置された木材を見ることができます。庇や外壁への植栽も予定されており、これから外観が少しずつ変わってくるでしょう。
一方、屋根部分を見ると、競技場右手(東側)から仕上げ工事が進み、白いステンレス板の取り付け面積が先月の約2倍に広がりました。競技場手前のエントランス(南ゲート)も、かなり出来上がってきています」
◆撮影/小倉雄一郎
※週刊ポスト2018年10月26日号