「相続人の間で揉めると、最後はどれだけの時間や労力を費やしたかを立証する資料を作成して家庭裁判所に提出して認めてもらう、という流れになる。介護日誌をつけていれば説明しやすい。どんな介護をしたか、何時間くらいしたか、といった記録をつけていくのがよいでしょう」(同前)
特別寄与が認められれば、そうした記録をもとに受け取れる金額が算定されていく。
「これまで、相続人の寄与分については“仮にヘルパーを雇っていたら、いくらかかったか”といった考え方で金額が計算されています。家裁では時給850円換算とされた事例もありました。
決して十分な額とはいえないでしょう。新たな相続ルールも課題は多いのです。権利を主張する人が増えることで、遺産を巡る交渉の当事者が増え、揉め事の原因にもなることも懸念されています」(同前)
「新たに設定された権利」は、これまでになかった火種にもなってしまう可能性もあるということを知っておきたい。
※週刊ポスト2018年10月26日号