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「3分おきに『起きてます』LINE」注目パワハラ訴訟の中身

会見する原告ら(中央が大下氏)

 10月17日に厚生労働省で行なわれた“パワハラ告発会見”に注目が集まっている。
 
 会見に出席したのは、東京都内でアニメ・ゲーム業界に特化した求人サイトなどを運営する「株式会社ビ・ハイア」の業務委託を受けていた男性と弁護士で、男性らは同日、東京地裁に民事訴訟を提起した。原告は、会見に出席した大下周平氏ら男性2人と、やはり同社から業務委託されていた女性の両親(女性は2018年2月に自殺)。被告はビ・ハイア社とその代表取締役社長・清水有高氏で、金銭の未払いやパワハラに対する慰謝料など合わせて約8864万円の支払いを求める訴訟だ。
 
 この会見と訴訟の内容は、朝日新聞をはじめ複数の新聞やネットメディアなどで取り上げられたが、かねて関係者に取材を重ねてきた中で、今後の係争で鍵となる可能性のある詳細な証言や情報を複数得た。

 金銭の未払いについて、原告らは「支払われないため自宅を引き払わねばならなくなり、会社に寝泊まりする状況に追い込まれた」と主張している。訴状にはこうある。

〈執務用の椅子をデスクの下に入れないと横にもなれないという状態の中、オフィスに毛布を持ち込んで床に雑魚寝して寝泊まりしていた。フローリングの床に、タオルケット2枚を下に引くなどして寝ている状態であったことに対し、被告清水は、「床に寝ている人が長生きしているからお前らちょうどいいじゃないか、それで借金を返していけばいいじゃないか」等と言っていた〉(以下〈 〉内は訴状の引用)

 ここでいう「借金」とは何か。原告の大下周平氏が証言する。

「当時交際していた女性に『会社から(業務委託としての)報酬を受け取った』と連絡をしたところ、清水社長から『守秘義務違反だ』などと言われ、会社に与えた損害額として4000万円を請求されました。また、事務所を住居として使用したことによる家賃やパソコンの使用料などとして1000万円を請求されました。そして清水社長が作成した借用書に署名・捺印させられたのです」

 大下氏は「私たちは常に監視されていた」とも話す。

〈(会社内に)カメラが設置されており、被告清水は、iPhoneのアプリで、それらのカメラの映像を、いつでも見られる状態であった。逆に、原告大下らは、何時みられているかわからない状態の中での生活を余儀なくされていた。4階の執務室内に監視カメラがあるため、寝ている様子も見られており、被告清水からは、「何やってんだ」「みてるぞ」等の連絡が来ることがあった〉

〈居場所をGPSで監視し、GPSで把握できる居場所について、被告清水から「早く、帰って来い」「なんでそこにいるんだ」「コンビニに入っているんじゃない」等と電話が掛かってくるようになった〉

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