シャープの8K液晶テレビ「AQUOS 8K AX1」(80インチモデル)
◆4Kコンテンツは拡大してきたが、8Kはコンテンツ不足の問題も
8Kテレビの場合、コンテンツ不足という課題もある。4Kコンテンツは先述のようにVOD、放送波、ディスク(Ultra HD Blu-ray)と選択肢が増えているが、8Kの場合は12月1日のスタート時点で「NHK BS 8K」の1チャンネルのみとなる。
NHK BS 8Kは当初10時~22時10分までの放送を予定している。8Kテレビを存分に楽しみたいのであれば、AQUOS 8Kと組み合わせて8K放送を録画できる8K対応USBハードディスク「8R-C80A1」(予想実勢価格13万円前後)も必要になるだろう。このハードディスクには約170時間の8K放送を録画できるので、8Kコンテンツの迫力を存分に味わえるはずだ。
とはいえ、今後の課題は多い。現状(12月1日のスタート時点)で楽しめる8KコンテンツはNHK BS 8Kの1チャンネルのみで、今後どのようなロードマップで8Kチャンネルが確保されるのかはまだ詳しく決まっているわけではない。8KコンテンツはフルHDの16倍、4Kに比べても4倍の解像度を持つため、必要な電波帯域(ネット配信の場合は通信帯域)も大きくなる。
現状では地上波、BS(放送衛星)、CS(通信衛星)ともに帯域がいっぱいになっている。地上波では8K放送どころか、4K放送ですら実施が難しく、それぞれの放送波で帯域の効率化を図りながら新たな4K・8K放送の帯域を生み出そうとしている状況だ。
4Kテレビはかなり普及してきたが、8Kテレビの普及に向けてはまだかなりのハードルを越えていく必要がありそうだ。
しかし現状でもコスト面や導入の大変さ(アンテナや分波器などの機器の導入)にさえ目をつぶれば、先述のように8Kテレビには大きな魅力がある。実際にどれだけ違うのか、興味がある方は家電量販店などで実際に比較してみてほしい。