「よく見ると、そうした書き込みの合間には、『見逃し配信はこちら』と、オンデマンドへ誘導するツイートが必ず挟まれています。これも再生回数を上げるための方策です。
現在は深夜枠のドラマ『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系)に嵐の相葉雅紀が出演していますが、以前ならトップアイドルを深夜に使うのは考えられなかった。あれもリアルタイム以上に、若者視聴者が中心のオンデマンドを重視した戦略でしょう」(元テレビプロデューサーで上智大学文学部教授の碓井広義氏)
そうした“新・視聴率”の獲得に血道を上げるテレビ局は、これからどこに向かうのか。元NHKの番組ディレクターで次世代メディア研究所の鈴木祐司氏はこう語る。
「小手先の数字に惑わされ、『面白い番組を作る』という原点を忘れてしまうのでは、本末転倒です。営業利益で見ても、リアルタイム視聴率で3冠の日テレがダントツです。確固たる土台があって初めて収益の多角化が成り立つのだと思います」
やはり「リアル」から目を背けるわけにはいかないのだろう。
※週刊ポスト2018年11月9日号