国内

年商10億のカリスマ駅弁販売員、“5m5秒の法則”で売上上昇

年商10億のカリスマ駅弁販売員・三浦由紀江さん

 あっという間に満員になる人気の講演会がある。カリスマ駅弁販売員・三浦由紀江さん(64才)もそのひとりだ。その魅力とは何か? 三浦さんが語る。

 * * *
 私は21才の時に学生結婚し、大学を中退して専業主婦になり、3人の子供を育てました。 ところがその23年後、「ウチにはお金がないからお母さんも外で働けば」という上から目線の娘の一言で、急遽JR上野駅で駅弁販売のパートをすることになりました。

「ここならお母さんでもできるでしょ」と娘が決めた職場でした。

 それまで、「こんなオバサン雇ってくれない」「パート経験がない」と避けていましたが、44才にして思い切って人生初となる仕事を始めてみると、本当に楽しかった。

 私は会社の常識を知らなかったので、ズケズケと社員にモノが言えました。例えば、売れる商品と売れない商品が同じ数だけ売り場に届くのはおかしいと指摘して仕入れ数を変え、現場感覚で発注数や陳列の仕方も変更しました。

 すべての仕事の基本となる接客でも工夫を重ねました。会社からは「アイコンタクトが大事」と指示されましたが、主婦目線で考えたら、入店してすぐ店員にじっと見つめられたら嫌ですよね。そこでお客さんが入店する5メートル前から様子をうかがい、「いらっしゃいませ」と挨拶してから5秒間はあえて声をかけずお客さんを観察し、そこで気づいたことを接客に生かす「5メートル、5秒の法則」を導入すると、売り上げがグンと伸びました。

 職場での人材育成は子育てと同じ。愛情を持って接し、自分が教えるのではなく、相手が気づくまで時間をかけて見守ると、どんな人間でも成長します。

 シェイクスピアは、「世の中にはよいも悪いもない、捉え方次第」という言葉を残しています。私自身、話を聞いてくれて仕事を任せてくれる上司に出会い、「認めてもらえた。もっと頑張ろう。努力しよう」と思えるようになり、自分を変えられました。

 仕事をしていく上で身についた考え方は、起こることはよいことも悪いこともすべて自分が原因だということ。仕事を始める前まではすべてのトラブルの原因は人のせいだと思っていました。常に自分が正しいと思っていたんです。でも違った。

 例えば仕事ができない社員に向かって文句を言っていた時もあったのですが、その社員の代わりに自分から動いて、その行動に責任を持ち、一生懸命やる。すると周りも変化する。 あれ、うまくいかないなと思ったら、まずは自分が変わる必要があるんです。学歴や仕事の経験がなく、年を取っていても、まったく関係ありません。

 大切なのは、自分で限界をつくらないこと。頑張ってきたことは、必ず成果につながると私は確信しています。

【Profile】
三浦由紀江さん(64才)/23年間の専業主婦生活を経て、44才で駅弁販売のパートに。駅弁の売り上げを5000万円アップさせて、年商10億円超を達成。2013年に定年退職後も「駅弁マイスター」として活躍。

※女性セブン2018年11月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン