芸能

重病で死亡説流れた三田佳子に佐藤愛子氏が長文「遺言」送る

佐藤愛子氏から三田佳子に届いた長文の「遺言」とは?(撮影/黒石あみ)

 128万部を突破する昨年最大のベストセラー『九十歳。何がめでたい』がこのたび、朗読劇になった。先日95才になった著者・佐藤愛子さんを演じるのは、77才の女優・三田佳子さん。実は佐藤さんを口説き落とし、演出を石井ふく子さん(92才)に頼み、今回の舞台を実現させたのは他ならぬ三田さんだ。「先生の生き方は私のあこがれで、50年前からずっと演じてみたかったんです」と言う三田さんが、佐藤さんと本書の魅力を語り尽くした。

 * * *
〈石井ふく子さんに演出してもらうことが決まり、佐藤愛子さんも舞台化を快諾。しかし、そんなところで三田さんの身にまさかの事態が…〉

 その後、私が頸椎硬膜外膿瘍(けいついこうまくがいのうよう)という病気になりまして。即入院、手術となって、手術は無事にすんだんですが、2か月以上も入院することになりました。

〈ハンマーで殴られたような原因不明の痛みが2か月近く続き、精密検査したところ、膿瘍が脊髄を圧迫していたことがわかった。自身の大腿骨の骨を移植する大手術で、ネットに「死亡」説が流れたため、首を固定してベッドに横たわる入院中の姿をブログにアップした。一時は四肢のまひも覚悟したという。〉

 まさか自分の身にそんなことが起こるとは思ってもいませんでした。愛子先生も大変、心配してくださって、「病院は退屈でしょうから、あえてダラダラ書いた手紙をあなたに出すわ」って、長文のお手紙をくださいましてね。「これは私の遺言だからね。あなたは一生懸命やりすぎる人だから、一生懸命やりすぎないで、大事にすることを忘れないようにしてね。でも、どんなことがあっても、役者は最後までやめないでね。あなたにはそれが向いているんだから」って、私を鼓舞して力づけてくださった先生のお手紙を毎日、二度、三度読み返しながら、何とか乗り切って、昨年末に退院することができました。

 愛子先生が案じてくださったとおり、エッセイからホン(脚本)をつくるのは、小説と違って確かに大変です。石井ふく子先生と、脚本の黒土三男さんとで、何度も何度も何度も書き直して、ようやく形になったものを、つい先日、ふく子先生に私もお供して、愛子先生のお宅に伺って読んでいただいたんです。先生は「ここはどういうふうにしてあるの? こんな文章、私は書いたかしらね」って、すごく真剣に向き合って、気づいたことをいろいろ言ってくださいました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン