前兆として「喋りにくくなる」「目まいが起こる」「ふらついて、まっすぐ歩けなくなる」といった症状を感じることがあるという。
自らも隠れ脳梗塞を患った医学博士の中原英臣氏(山野医療専門学校副校長)が語る。
「私の場合も特別な治療はせず、点滴や薬によって1週間ほどで症状が治まりました。何の前触れもなく、気持ちが悪くなるようなこともありませんでしたが、『日中に突如目まい』がして、立ち上がれなくなってしまった。“脳の変調かな”と疑い、すぐに受診しました。『朝起きたら手足が痺れる』といった症状を訴える患者もいるようです」
ただし、誰もが中原氏のように些細な兆候に気づき、医者に伝えることができるとは限らない。
「症状が軽い、すぐ治った、と楽観視してはいけません。隠れ脳梗塞は『今は細い血管のダメージで済んでいるが、放置すると太い本流の血管が詰まる』という“脳からの警告”と捉えるべき。察知するためには、ラクナ梗塞の特徴を知る必要があります」(工藤医師)
※週刊ポスト2018年11月30日号