西城さんの告別式の様子
〈これで、完全復帰へと向かっていくだろう、そう希望が見えてきた、2013年1月。しかし、なんとまたここで検査によって隠れ脳梗塞が見つかり、8回目の入院をすることになります。この時も点滴で治療しましたが、本人にも自覚がないというより、もうずっとこの症状に慣れてしまった、というのが近いのかもしれません〉(同書より)
美紀さんが語る。
「ずっと表に出さなかったことを明かす葛藤はありましたが、ファンの方々に病状をお伝えするとともに、少しでも同じ脳梗塞に苦しむ方々やそのご家族の参考になればという思いがありました」
脳梗塞で命を落とす人は年間約6万5000人(厚労省「平成27年 人口動態統計」)。糖尿病も、患者数が1000万人を超えるとされる“国民病”だ。
秀樹さんのように脳梗塞を繰り返し発症するケースが厄介なのは、症状に気づきにくい一方で、重篤化するリスクが高くなるから。
「隠れ脳梗塞は、自覚症状がないままCT検査やMRI検査で見つかるケースが多く、医学的には『ラクナ梗塞』と呼ばれます。
隠れ脳梗塞は、気づかないほど軽い症状であることが多い。治療を施す場合も、血液をサラサラにする薬を1週間ほど服用し、一時的に症状を解消させます。しかし完治したわけではなく、梗塞を起こしやすい状態は変わりません。繰り返し発症して脳のいたるところで血管が詰まり、大きな発作を招くのです」(工藤医師)