●「高いマウンド」なら勝てる
松坂は今季の6勝のうち、5勝をナゴヤドーム(9登板)で挙げている。ホームで“客寄せパンダ”をやらされていると陰口も叩かれたが、実は松坂と本拠地球場の相性はすこぶる良いのだという。
その理由が「高くて傾斜がある」ナゴヤドームのマウンドだ。松坂の入団当時、西武で一軍投手コーチをしていた野球評論家の杉本正氏は、こう振り返る。
「プロ入りした頃から“大輔の投げ方は高さのあるマウンドのほうが向いている”と当時の東尾修監督と話していたんです。だからデビュー戦はホームの西武ドームではなく、東京ドームでの日ハム戦に決まった。6回途中までノーヒットノーランの快投でプロ初勝利をあげ、鮮烈なデビューを飾りました。
彼がソフトバンクを自由契約になる頃、“頑張れ”というメールを送りました。すると“もう少し頑張ってみます”と野球への情熱を失っていない声が返ってきた。だからこそ今の活躍があると思います。今年は下半身が使えるようになり、大輔ならではの躍動的なフォームを取り戻している」
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