ライフ

ゴルゴ13、一生遊べるカネがあっても働き続ける理由

佐藤:ゴルゴの名はそこから来ていたんですか! でもこの体験は本当に大きかったのですね。私が作品を通じて感じていたのは、実は「人間の信頼」だったんです。古代ローマの根本概念でもある「ローマ法」の基本概念に、「合意は拘束する」という話があるんです。現在の国際法の大原則にもなっているのですが、「約束したことは絶対に守る」ということです。ゴルゴは約束を違えません。ゆえに依頼者との間で「人間の信頼」が保たれる。ゴルゴは、命中率も100%ですが、約束遂行率も100%です。

◆『ゴルゴ13』とキリスト教の終末遅延

さいとう:約束を違えないというのは、私の信念でもあるんです。原稿を落とさない、というのもそう。締め切りは仕事上の約束だからです。約束を守ることが、人間関係で最も大事だと思っているんです。

佐藤:そう見ていくと、ゴルゴが仕事を断る時は「約束を守れない」ことがわかっている時だけです。あらかじめ、できない仕事は引き受けない。信頼関係のない相手や、嘘をついている依頼も断ります。ゴルゴの「約束」が、人との信頼関係で成り立っているからですね。

さいとう:こうして『ゴルゴ13』の連載を続けているのも、読者に対して私が勝手に「面白い作品を届ける」と約束してしまったからかもしれない。読者の声をそう受け取ってしまった。だから引退はしません! 引退というのは、人生の舞台から降りるということ。本来、人間にとっての引退は死ぬことでしかない。

佐藤:もし描きたくなくなったら、それは引退じゃなくて休職というわけですね。

さいとう:わしは休職もしませんよ(笑)。勝手に引退して、そのあとすることがなくなって不安を増大させるよりは、「やれる間はやる」と覚悟を決めて、進んでいけばいい。これはサラリーマンでもなんでもそうでしょう。やりたいようにやればいい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
《美女・ホテル・覚せい剤…》元レーサム会長は地元では「ヤンチャ少年」と有名 キャバ嬢・セクシー女優にもアテンダーから声がかかり…お手当「100万円超」証言
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
【独占直撃】元フジテレビアナAさんが中居正広氏側の“反論”に胸中告白「これまで聞いていた内容と違うので困惑しています…」
NEWSポストセブン
「全国赤十字大会」に出席された雅子さま(2025年5月13日、撮影/JMPA)
《愛子さまも職員として会場入り》皇后雅子さま、「全国赤十字大会」に“定番コーデ“でご出席 知性と上品さを感じさせる「ネイビー×白」のバイカラーファッション
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中、2人は
《憔悴の永野芽郁と夜の日比谷でニアミス》不倫騒動の田中圭が舞台終了後に直行した意外な帰宅先は
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
〈シ◯ブ中なわけねいだろwww〉レースクイーンにグラビア…レーサム元会長と覚醒剤で逮捕された美女共犯者・奥本美穂容疑者(32)の“輝かしい経歴”と“スピリチュアルなSNS”
NEWSポストセブン
富山県アパートで「メンズエステ」と称し、客に性的なサービスを提供したとして、富山大学の准教授・滝谷弘容疑者(49)らが逮捕(HPより)
《現役女子大生も在籍か》富山大・准教授が逮捕 月1000万円売り上げる“裏オプあり”の違法メンエス 18歳セラピストも…〈95%以上が地元の女性〉が売り
NEWSポストセブン
永野芽郁のCMについに“降板ドミノ”
《永野芽郁はゲッソリ》ついに始まった“CM降板ドミノ” ラジオ収録はスタッフが“厳戒態勢”も、懸念される「本人の憔悴」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
スタッフの対応に批判が殺到する事態に(Xより)
《“シュシュ女”ネット上の誹謗中傷は名誉毀損に》K-POPフェスで韓流ファンの怒りをかった女性スタッフに同情の声…運営会社は「勤務態度に不適切な点があった」
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(時事通信社/読者提供)
《動機は教育虐待》「3階建ての立派な豪邸にアパート経営も…」戸田佳孝容疑者(43)の“裕福な家庭環境”【東大前駅・無差別切りつけ】
NEWSポストセブン
“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン