三笠本部長には将来的に、プレーだけでなく、育成面でのトレーニングや食事、睡眠に至るまでデータ化し、それらすべてを統合してリンクさせ、選手の育成に充てるビジョンがあるらしい。もちろん「選手ファースト」という軸はぶれないままだ。
実は12球団の中には、ホークス以外にもデータ重視を掲げるチームがある。しかし、ホークスほどの十分な成果が見られない。その主な原因が、拙速なデータ野球導入による、選手軽視にあるのかもしれない。
三笠本部長が掲げるのは、旧来のトップダウン型ではなく、現場の意見を汲みつつ総括的に取り組む柔軟なスタイル。ホークスのデータ野球が実を結んだ背景には、そんな球団経営姿勢がある。
取材・文■田中周治 撮影■藤岡雅樹
※週刊ポスト2018年12月7日号