トップの藤原英厩舎は開業した2001年に早くも重賞を制覇、2007年にリーディング5位に顔を出して以来、ほぼ毎年ベスト10に入っている。注目すべきはその勝率で、これまで3度の最高勝率調教師賞に輝いており、今年もこれまでの勝率は2割を超えているし、連対率3割8分、3着内率4割9分と、ともにトップ、出走してくれば2回に1回は馬券に絡んでいるというわけだ。
東西で190ほどある厩舎のうち、勝率2割以上は他に藤沢和、木村哲也、中内田充正の3厩舎だけ。1割以上でさえ40厩舎にも満たないのだから、2割超えというのが、いかに高率かがよくわかる。
出走馬が1、2番人気になった時の勝率、連対率は平均的だが、3番人気の時の連対率も5割近く、さらに4番人気での3着内率も5割を超えているので、三連複・三連単の軸にはもってこいだ。また、外国人騎手への依存度もそれほど高くはなく、一番勝っているのが北村友一騎手というのも、穴党にとっては胸躍るものがあるのではないか。
出走回数を絞っているので、出てきたときは気に留めておきたいが、人気薄での好走はそれほど多くはない。とはいえ、今年の皐月賞で7番人気のエポカドーロが勝ったように、伏兵扱いでも大舞台では注意しておきたい。ヴィクトリアマイル連覇のストレイトガール、ダービーと天皇賞(秋)のエイシンフラッシュ、フェブラリーSのサクセスブロッケンなど、GIになるとしっかり結果を出している。
●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
※週刊ポスト2018年12月21日号