事故物件公示サイト管理人の大島てる氏
夏原:事故物件を教えてくれる正直な不動産会社に見えるけど、そもそも広告自体が嘘だという。“逆・正直不動産”だ(笑)。それ、漫画のネタで使わせてもらいます。
大島てる:五反田の土地のような有名なところで、なぜ積水ハウスのような大企業が騙されたのでしょうか?
夏原:この事件がどうかわかりませんが、普通だと気がつくような話でも、不動産会社は売り上げ目標などで追い詰められると信じてしまうことがあるんです。やはり数十億単位の金が動きますからね。
大島てる:正常な判断ができなくなるのでしょうか。
夏原:あとは裏社会から付け込まれるというのもある。常連のお客さんが実は暴力団関係者で、人間関係の中で、だんだんといろいろな要求をされるようになるということがあるんです。まずは別人名義で部屋や事務所を借りるのを仲介するとか、軽いところから始めて、逃れられなくなっていく。
大島てる:そうした裏社会のやり方があるんでしょうね。
夏原:大きな嘘といえば、昔は原野商法というのがありましたね。将来値上がりすると言って、二束三文の原野を売りつける。今年も北海道で怪しい不動産の儲け話が出てました。なぜ五輪も万博も関係ない北海道なんだろうと思ったら、「カーリング場を作る計画がある」と言って、声をかけているらしい。今年は平昌五輪でカーリング娘が話題だったから、それで話を作っている。もう、どこからでも儲け話を作り出しちゃう。あんな大きい北海道でカーリング場の影響なんてごく一部だろうと突っ込みたくなります(笑)。
普通に考えれば、そんな話には乗らないんでしょうが、不動産を金儲けの手段としてしか見られなくなると、やはり危うい。不動産は、人が住んで、生きていく場所なんだという意識がなくなっているんでしょうね。