過敏すぎる神経と感受性。その一方で、遠い江戸文芸への思慕と夢想。ここには芸人物、岡本綺堂の半七や三浦老人にならう短篇、奇想づくしの小品が四十篇ちかく並んでいるが、何であれ色こく正岡容的脚色を受けて、初々しく新鮮だ。
一途にそしてまじめに書かれているのに、なにかおかしい。人柄そのものがそうであったようで、多くの人が当惑し、遠ざかるなかで、自分もまた深く傷つき、ウックツした。作品の背後に、みながもち、そしてこの人が多分にかかえていた「孤独地獄」がうかがえる。
※週刊ポスト2019年1月11日号
過敏すぎる神経と感受性。その一方で、遠い江戸文芸への思慕と夢想。ここには芸人物、岡本綺堂の半七や三浦老人にならう短篇、奇想づくしの小品が四十篇ちかく並んでいるが、何であれ色こく正岡容的脚色を受けて、初々しく新鮮だ。
一途にそしてまじめに書かれているのに、なにかおかしい。人柄そのものがそうであったようで、多くの人が当惑し、遠ざかるなかで、自分もまた深く傷つき、ウックツした。作品の背後に、みながもち、そしてこの人が多分にかかえていた「孤独地獄」がうかがえる。
※週刊ポスト2019年1月11日号