国内

自民党「北方領土解散」で7月衆参ダブル選挙のシナリオも検討

一か八かの賭けに出るか(EPA=時事)

 御代がわりの2019年のニッポン政治に何が起きるのか。安倍首相が1月召集の通常国会に9条改正の憲法改正案を提出すれば、自公連立の枠組みが大きく揺れ始める。公明党の連立離脱、そして国民民主との「改憲連合」の可能性もある。

 通常国会での憲法改正発議が難航し、時間切れで参院選突入となる場合でも、安倍首相には奥の手がある。ロシアとの北方領土返還交渉だ。

「2島返還の実現に道筋をつければ、安倍総理は7月の衆参ダブル選挙で信を問う可能性が高い」

 そう指摘するのは元BS11報道局長で政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏だ。

「最近の世論調査では『2島先行返還』への賛成は5割を超えている。”国境を動かした”という外交成果を挙げれば、それを“参院選の追い風にするだけではもったいない”と衆院を解散するでしょう。改憲議論には時間がかかり、通常国会での発議は現実的には難しい。ダブル選挙で衆参の3分の2を維持できれば、その後の国会で改憲に取り組むことができるし、総裁4選も見えてくる。自民党の一部では、“北方領土解散”はシナリオの一つとして検討されています」

 国会を大阪G20サミット(6月28~29日)の後まで延長すれば衆参同日選は可能だが、自民党内には「ダブル選挙を打てば無党派層の投票率が上昇して、自民批判票が増える」(前出・選対本部関係者)という慎重論もある。

 首相にとっては“一か八か”の賭けになる。

※週刊ポスト2019年1月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン