◆パワステの登場

「いや、それだけじゃないよ。パワステの登場は、運転に力がいらなくなった訳で、女性の自動車運転への進出を大きく促進したはずだ」と、ある自動車メーカーに勤務する男性は言います。

 パワステと言っても、装備されていないクルマを運転した経験は、40歳代以上でないとないでしょう。パワーステアリング装置は、ハンドルを回す力を補助するもの。低速で運転していても、軽く片手でハンドルを回して方向転換できるのは、このパワステのおかげです。それまでは、低速でハンドルを回すのは力作業だったのです。

 パワステが装備されたのは、日本では1970年登場のトヨタ「クラウン」が最初と言われています。当初は高級車用の特別装備だったものが、1980年代に入ると大衆車にも普及し、1990年代になると軽自動車にも標準装備されるようになりました。

◆カーナビの登場

 カーナビが登場したのは1980年代ですが、当時のものは高額だったうえに精度も悪く、なかなか普及しませんでした。ところが、1990年代に入って、GPSが搭載され位置情報の精度が一気に向上したことで、購入する人が増えました。

 さらに1996年には道路の混雑情報をリアルタイムに表示できるVICS61というサービスが開始。そして2002年にはネットに接続する通信機能が搭載されたカーナビが登場。2017年の出荷台数は約581万台に達しており、8割近い乗用車に搭載されていると見られています。

◆オートマ、パワステ、カーナビの3点セットで何が変わったか

 ここまで見てきたように、平成時代で乗用車は大きく変化しました。自動車の運転が、難しいものから簡単なものになったのです。このことは、女性が自分で車を運転することを身近にしたのです。

 平成元年に自動車運転免許を持っていた人は、約6000万人。男女比は、男性が63.0%、女性が37.0%だった。これが平成29年になると、約8000万人。男女比は、男性が54.9%、女性が45.1%となりました。男女ともに50歳代から30歳代の免許保有率は、男女ともに90%を超しています。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン