ビール市場縮小の中でも大ヒットとなったキリン「本麒麟」

「のどごし」は一昨年の2017年の年間販売が4110万ケースで前年比約5%減。昨年は3860万ケースで前年比6%減。今年はさらに3410万ケースで同11.7%減を見込む。第3のビールトータルでのシェア首位の座をアサヒビールに奪われていた。

「のどごし」そのものも、いわゆる麦系でなく豆系由来の商品で、消費者の好き嫌いがはっきりと分かれる商品だった。また、業界全体で徐々に麦系商品にシフトしていった中、キリンは「のどごし」に取って代わるような麦系の第3のビールを、なかなかヒットさせることができなかった。

 そうした危機感や、前述した布施社長が語った社内風土の変化の中、最近は“ニアビール”と表現されるようになった、限りなくビールに近い商品に仕上げた第3のビールで先陣を切ったのが「本麒麟」だったわけだ。

 ともあれ、「本麒麟」がヒットしたことで、キリン以外の3社は今年、一斉にニアビール戦線に参戦してくる。その主戦場は「コク系」と「キレ系」に分かれ、その両方を出すサントリー、キレ系に挑むアサヒとサッポロビールという構図だ。

 サントリーが出すコク系新商品が「金麦〈ゴールド・ラガー〉」であり、同じコク系の「本麒麟」とは真っ向勝負を挑むことになる。

「金麦〈ゴールド・ラガー〉」の年間販売計画は340万ケースで、特徴は、「ザ・プレミアム・モルツ」で培った「本格二段仕込製法」による豊かな麦のコクと、後味の締まりと苦み、だという。アルコール度数も「本麒麟」と同じ6%だ。

 発売前の「金麦〈ゴールド・ラガー〉」を試飲する機会があったのだが、予想通り、味わいはかなり「本麒麟」に寄せた感じだ。もちろん多少のテイストの違いはあり、「金麦〈ゴールド・ラガー〉」のほうは若干、華やかなフルーティっぽさも加味したような印象だったが、「自信作だ」とサントリービールの山田賢治社長が語っていた通り、「本麒麟」を追いかけるには足る商品になったのではないか。

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