『ダ・ヴィンチニュース』が小学生の子供を持つ母親を対象にした「小学校入学時に不安だったことはあるか」というアンケートによれば、9割が「友達ができるか」「いじめにあわないか」など何らかの不安を抱えていたと回答した。
さらに日本情報法規の調査によると、母親の5人に1人が母親同士の関係性に悩んでいるという。
つまり、多くの母親は子供の学校生活や人間関係に潜在的な不安を抱えているうえ、実際、子供を伴う自分の人間関係に悩んでいるということだ。そのうえ、現実にひとたびトラブルが発生すれば円満解決は難しい。弁護士の高橋知典さんが指摘する。
「母親同士で特に多いのが、子供のいじめがあったかどうかのトラブルです。一度揉め始めると、『お宅の子がやったに決まっている』『いや、うちの子がやるはずがない』と互いに譲らず、円滑な話し合いができません。なかには『嘘をつくな』と相手の子供に食ってかかる親までいます」
高橋さんによれば、同事務所へのいじめやママ友のトラブル相談は年間200件を超え、その数は毎年増えているという。
Aちゃんの母親のような「専業主婦」という境遇も、母親を追い込みやすい。
「専業主婦は子供をどう育てたかで評価される面があり、子育てを一生懸命がんばっている母親ほど、いじめは自分自身のマイナス評価につながると思い込みやすい。さらに地域住民がお互いのことを知っていて、濃密なつきあいをしているのであれば、逃げ場が全くない状況になってしまう」(片田さん)
ましてや夫が朝から晩まで働き、実家が遠く、核家族ともなれば、誰も頼れない母親の孤独は深まるばかりだ。
「一般的に『ママは幸せ』『ママは強くなきゃ』という前提で世の中は見ているから、文句や愚痴が言いづらいうえ、夫が話を聞いてくれたとしても本当に理解してくれているかは、難しいところ。ママのつらさの大部分は、周囲から理解を得ることへの大変さが大きいのではないでしょうか」(野原さん)
※女性セブン2019年2月21日号