国際情報

蒼井そらに「赤いスカーフ」を巻かせた中国企業の顛末

中国で絶大な人気を誇る蒼井そら(Imaginechina/時事通信フォト)

 中国人の日本への関心は高まる一方だが、依然日本人には極めて扱いが難しい政治問題も存在する。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 日本で人気を失ったアイドルが、中国で再ブレイクする。もしくは日本での人気よりも熱烈に支持される──。そういった現象は、いまや珍しいことではない。その草分け的な存在といえば、やはり蒼井そら氏だろう。

 だが、中国で安定した人気を維持しようとしても、本人が思いがけないところでリスクとぶつかってしまうことがある。

 年が明けて間もなく、中国で根強い人気を誇るのりピーこと酒井法子氏も微博での挨拶にあわせて支払いチャンネルのリンクをつけたことで、強い反発を受けたことが話題となった。

 落ちているリスクは、うっかりばかりではない。政治問題に敏感な中国では、本人の行いとは関係なく、大きな問題に発展してしまうこともある。それが蒼井そら氏の「赤いスカーフ」問題である。

 ことの経緯を説明すれば、上海のある企業が雲南省で行ったある慈善活動に蒼井そら氏を起用したのだが、そのイベントの中で彼女に赤いスカーフを着用させたことで大問題となったのである。

 イベントが行われたのは昨年7月末のことだが、まず噛みついたのは中国少年先鋒隊全国工作委員会(全国少工委)であった。全国少工委は、共産主義青年団の下部組織で、文字通り少年に対する教育を受け持つ。

 では、なぜ赤いスカーフが問題化といえば、それはロシア革命と強い関係がある。赤いスカーフは、もともとは東方正教会の子供たちが着用したものだが、ロシア革命の勝利を受け、少年に対する共産主義教育の強化が急務となり、その目的を達成するため設立された先鋒隊メンバーが、そのシンボルとしたのが赤いスカーフであったのだ。

 つまり、革命の清きシンボルをなんて使い方をするんだ、と怒ったわけだ。

 こうした場合、日本では公開の場で謝罪するという展開が予測されるのだが、中国では赤いスカーフの不当使用という違法行為として行政罰130万元(約2119万円)の罰金となった。

トピックス

大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト