国内

青汁王子 逮捕直前肉声「ステマはしたが脱税はしていない」

「青汁王子」として知られる三崎容疑者(公式ブログより)

 脱税の疑いで逮捕された「青汁王子」こと、三崎優太容疑者(29)。数多くの経済事件を取材してきたジャーナリスト・伊藤博敏氏は、逮捕直前まで本人とのやりとりを続けていた。“時代の寵児”は何を語っていたのか──。

 * * *
「1年にも及ぶ査察で、日本が本当にイヤになりました。処分が決まったら、国税を批判する本を書いて売りまくり、日本を脱出するつもりです」

 こう“決意”を語っていたのは、2月12日、法人税と消費税1億8000万円を脱税したとして、東京地検特捜部に逮捕された健康食品会社メディアハーツ(東京・渋谷)代表で“青汁王子”として知られる三崎優太容疑者である。

 取材を行なったのは都心の超高級レジデンス。昨年11月22日、三崎容疑者はモロッコ旅行から帰ったばかりで、女性秘書に促されて部屋に入ると、専属の美容師に髪を整えてもらっているところだった。

 以降、約3か月の間に、メールや電話を交わし、最後の電話は、地中海中心部のマルタ共和国から帰国、東京国税局の取り調べを受けた直後だった。

「私は、どうなるんでしょうか。告発されますかね。なにか情報は入ってないですか」

 その前から、彼はマルタ移住をほのめかしていた。海外移住を選べば、国税を刺激、告発される可能性は高まる。

 しかし三崎容疑者は、「国税(担当者)には移住を伝えているし、逃げ隠れするつもりはありません」と、そこは意に介さず、なにより「脱税した覚えはない。自分は悪くない」と、一貫して主張していた。

 メディアに露出を繰り返し、年収は12億円で、1億円超で競走馬を落札、フェラーリなど高級外車を乗り回す。そんな「青汁王子」の派手な私生活には、それほど興味はなかった。

 私が三崎容疑者に興味を持ったのは、通販事業への本格参入から3年で売上高122億円(2017年9月期)を達成した“秘密”を知りたかったからだ。

 三崎容疑者に会い、本社を訪ねて、今回、共犯で逮捕された内藤由美子容疑者(49)に話を聞いてわかったのは、「ネット広告」の効用を最大限に生かしたこと。現役高校生の18歳の時に会社を立ち上げ、成果報酬型のアフィリエイト広告で、月商数百万円の会社にした三崎容疑者は、「ウェブを駆使して販売する天才」(内藤容疑者)だという。「美と健康に役立つすっきりフルーツ青汁」は、若い女性を中心とするネットユーザーに受けた。青汁は累計1億3000万本以上売れ、大きな財を成した三崎容疑者は、その容姿も相まっていつしか「青汁王子」と呼ばれるようになった。

 逮捕容疑は、やはり共犯逮捕の加藤豪容疑者(34)の会社に「架空の広告宣伝費を計上するなどの手口」ということだったが、三崎容疑者は「“後ろめたい広告宣伝”はあっても架空ではない」と、否定していた。

「(国税は)架空発注して、浮かせた分を私に還流させていたというんですが、そんな工作はしていません。2017年に12億円以上の法人税を払っています。1億4000万円(消費税を除いた法人税)を払わず、犯罪者になるつもりはない」

“後ろめたい”というのはその広告戦略だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

世界的な人気を誇るシンガー・d4vd(20)(Instagramより)
「行方不明の10代少女のバラバラ遺体が袋詰めに」世界的人気歌手・d4vdが所有する高級車のトランクに遺棄《お揃いのタトゥー「 Shhh…」で発覚した2人の共通点》
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ハワイ別荘・泥沼訴訟を深堀り》大谷翔平が真美子さんと娘をめぐって“許せなかった一線”…原告の日本人女性は「(大谷サイドが)不法に妨害した」と主張
NEWSポストセブン
須藤被告(左)と野崎さん(右)
《紀州のドン・ファンの遺言書》元妻が「約6億5000万円ゲット」の可能性…「ゴム手袋をつけて初夜」法廷で主張されていた野崎さんとの“異様な関係性”
NEWSポストセブン
神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝の番組卒業から1年》中丸雄一、『旅サラダ』降板発表前に見せた“不義理”に現場スタッフがおぼえた違和感
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)の“過激バスツアー”に批判殺到 大学フェミニスト協会は「企画に参加し、支持する全員に反対」
NEWSポストセブン
ラーメン店の厨房は暑い(イメージ)
《「汗を落とすな」「清潔感がない」》猛暑で増えた「汗クレーム」 熱湯で麺を茹で上げるラーメン店やエアコンが使えないエアコン取り付け工事にも
NEWSポストセブン
主人公・のぶ(今井美桜)の幼馴染・小川うさ子役を演じた志田彩良(写真提供/NHK)
【『あんぱん』秘話インタビュー】のぶの親友うさ子を演じた志田彩良が明かすヒロインオーディション「落ちた悔しさから泣いたのは初めて」
週刊ポスト
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《いまだ続く広陵野球部の暴力問題》加害生徒が被害生徒の保護者を名誉毀損で訴えた背景 同校は「対岸の火事」のような反応
週刊ポスト
どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン