もっとも訪日外国人旅行者の激増により宿泊業としてのサービスも変容、多様化している。旅行者のニーズに応える宿泊施設が求められている中、カプセルホテルは営業許可やイニシャルコストといった点から異業種参入のハードルが低いのも特徴といえる。撤退のスピード感からいっても、経済・環境問題など様々な要因で一気にクールダウンするリスクを内含するインバウンド需要にマッチする業態だろう。
2019年もホテルの建設・開業ラッシュは続く。ホテル間の競争が激化するのはカプセルホテルばかりではないが、最近カプセルホテルの運営会社からは嘆きの声が聞こえてくる。一時と比べて稼働が芳しくないというのだ。
その要因として、一般ホテル、特にビジネスホテルの料金変動が進化系カプセルホテルに及ぼす影響が大きいといえる。
1~2万円が当たり前のビジネスホテル料金が高騰する中、5000円程度でそれなりに快適滞在できるところに進化系カプセルホテルのポジショニングがあったのだが、最近ビジネスホテルの料金も落ち着いてきたため、競合しつつあるというのだ。
ただ、やはりカプセルホテルの基本は、“安価で気軽な地元密着の宿泊施設”であるはず。今後の発展を期待しながら、そんな基本の踏襲にも注目していきたい。