カプセルホテルに代わるワードはないかと沈思黙考するものの、やはりキャッチーな“カプセルホテル”というワードのインパクトは強烈にして何かと重宝されているようだ。
いずにしても業態としては「簡易宿所」であり、一般的なカプセルホテルと同様に施錠はできず、“設置されたカプセルユニット”というイメージを持つ人は多いだろう。
だが、最近増えている高さが確保できるカプセルユニットには「キャビンタイプ」があり、進化系カプセルホテルで導入される例が増えている。横から出入りできるユニットを交互に配置することでプライベート空間を確保、デスク等の設置も可能にしているのだ。
例えば、充実した温泉施設で人気を博すビジネスホテル“ドーミーイン”が手がける「グローバルキャビン」ブランドは、温浴施設の充実度もさることながら、キャビンタイプ(ハイブリッドスタイルを除く)のカプセルユニットを用いるデラックスカプセルホテルである。
キャビンタイプといえば2018年12月、南青山に女性専用の施設も誕生した。コスチュームジュエリーや時計等のインポート商品を扱う「ABISTE(アビステ)」が運営する「アルビダホテル」だ。
一般的な二段式のタイプに加え、キャビンルーム、デラックスキャビンルームを備える。インテリアや美容機器などへの気遣いはさすが女性専用施設といったところ。異業種参入ならではの発想は新たなカプセルホテルのフェーズともいえる。
さらに、カプセルホテルと同様の簡易宿所であるが、〈カプセルホテルでもなく、ビジネスホテルでもない、新しいスタイルのホテル〉と謳い、全国展開でも知られるのが、「ファーストキャビン」だ。
ここは上下左右の空間確保は前述したキャビンタイプのカプセルホテルを超えるスケールで快適性も高い。3月に開業する「ファーストキャビンST. 京都梅小路 RYOKAN」は、京町家の木造建築に改修と増築工事を加え坪庭や中庭、裏庭なども設けるという同ブランドでは新しいコンセプトで関心を集めている。
京都のカプセルホテルで注目されたのは、2018年4月に開業した「豪華カプセルホテル 安心お宿プレミア 京都四条烏丸店」。東京でも展開する人気ブランドだが、京都店は初の女性利用可能な施設となった。
2019年12月には名古屋へも進出、栄駅徒歩3分という好立地に誕生するのが「豪華カプセルホテル 安心お宿 名古屋錦3丁目店(仮称)」だ。
こちらも女性専用エリアを設ける。人気ブランドの地方展開はインバウンド需要も視野に入れたカプセルホテルのグローバル化ともいえるが、同施設はカプセルホテル本来の地元密着型を目指すといい“駆け込み寺ホテル”を謳う。