この時のシグナリングによる効果は高く、前澤社長が率いるZOZOにも、当然注目が集まった。使った金額も莫大だったが、それだけの効果はあったのだ。株価は上昇し高値を付け、ZOZOと前澤社長の名前は瞬く間に広がっていった。
次に前澤社長がぶち上げたのは、メディアでも大きな話題になった、ツイートによる「1億円お年玉キャンペーン」。100人に100万円をプレゼントするというイベントだ。当選者は抽選ではなく、何らかの目的や夢がある人だったことが明らかになったことで、自分が「善良な支援者である」とシグナリングしたとも言える。だが、残念なことに、その効果は低かった。メディアをうまく使ったイメージアップ戦略と捉えられたことや、彼のツイッターのリツイート数が560万を超えて世界最高記録となったことで、単なる善良な支援者ではなく、彼自身にも利得があったことが分かったからだ。
その後、プライベートブランド「ZOZO」の不発や、昨年12月に始めた有料会員サービス「ARIGATO会員」で大幅な値引きを実施したことで、有名ブランドとの折り合いが悪化、ZOZOTOWNからの撤退を表明するブランドが相次いだことで、株価も低迷し始めた。そして先日、前澤社長は「本業に集中します。必ず結果を出します」としてツイッターの休止宣言を行った。
今後の展開はきっと、ツイッターの再開が、前澤社長が「結果を出した男」であるというシグナリングになるのだろう。さて、前澤社長がツイッターを再開する日はいつになるのか。