「平成」を決めた1989年1月7日の閣議(時事通信フォト)
たとえば「賀世(のりよ)」のような元号もあり得るということか。
伊勢神宮とゆかりの深い皇學館大学神道研究所の佐野真人助教は国書を典拠とした元号のイメージを挙げた。
「『日本書紀』神武天皇即位前紀の〈蒙以養正……積慶重暉〉(蒙(くらく)して正しきを養ひ……慶び積み暉(ひかり)を重ぬ)の、自然災害などで困難な時にでも正しい道を養い、慶びを積み徳の光を重ねるという意味から『養暉(ようき)』。
また、『続日本紀』の〈道徳仁義。因礼乃弘〉(道徳仁義は、礼に因(よ)りて乃(すなわ)ち弘まる)から『礼弘(れいこう)』も考えられます」
巷では安倍の「安」の字が使用されるのではといった見方も取り沙汰されるが、安倍首相がイメージしているのは、そうした“国風”の元号かもしれない。
※週刊ポスト2019年3月22日号