国内

新元号は日本の古典由来も候補に 「訓読み元号」の可能性は

5月1日、新天皇が即位(時事通信フォト)

 約200年ぶりとなる天皇譲位に伴う改元をめぐって思惑は入り乱れている。元号選定は国家的事業だが、原案選定の責任者である菅義偉官房長官に比べて、安倍晋三首相の影は薄い。そのため、元号発表の記者会見を安倍首相自身が行なうという見方もある。だが、その意中は、これまでとは違う決め方で元号の歴史に“レガシー”を刻むことを模索しているようだ。

〈これまでの元号はすべて中国の古典から選ばれているが、安倍首相は周辺に対し、「元号の出典は日本で書かれた書物がいい」と話しているということで、今回は、室町時代までに漢文で書かれた日本の古典に由来する案も候補にあがっているという〉

 元号懇のメンバーでもある大久保好男氏が社長を務める日本テレビの3月1日の“スクープ”だ。

 では、日本の古典から選ぶ場合、これまでと違った元号案が出てくるのか。中国思想史が専門の堀池信夫・筑波大学名誉教授に聞いた。

「今回、国書由来の元号を検討するのであれば、古事記やそれに次ぐ六国史と呼ばれる日本書紀、続日本紀、日本後紀、続日本後紀、日本文徳天皇実録、日本三大実録の歴史書を典拠にするのが妥当ではないかと思われます」

 日本国語国学研究所代表の丸山顕徳・花園学園大学名誉教授は「訓読み元号」の可能性を指摘する。

「神判による勝訴を表わす『慶』(よろこび)は非常にいい漢字です。訓読みであれば、経済的な豊かさを示す『賀』(のり、よし、より、か)、自分の子供の代に継ぐまでの30年間の意味から、幾世代も続くという意味になった『世』(よ)などを元号に使うとめでたい言葉になります」

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン