また、柳井氏はキリン『午後の紅茶』との対決意欲を聞かれ、「(シェアを切り崩すような)大それたことは考えていない」としていたものの、「この商品のブランドキャンペーンは手厚くする」と話し、コストをかけて大がかりな販促をすることを明言した。
実際、「CRAFT BOSS TEA」のCM発表会がこの3月14日に行われるのだが、「満を持して投入する新商品だけに、テレビCMでは大物女優を起用する」と、予告にも力が入っていた。
「CRAFT BOSS TEA」の商品特性については、「渋みを極限まで低くした」(同)ことにあるという。コーヒーの「CRAFT BOSS」も、「薄味で売れないだろう」としていた専門家の評価を覆しての大ヒット。コーヒーのコクや苦みを嫌う傾向が強い若年層に刺さったことが成功の最大の要因だっただけに、今回の無糖紅茶でも飲みやすさを重視したようだ。
こうして若年層が苦みや渋みを敬遠する傾向は、同様にビールの苦みを嫌って缶チューハイなどに流出している構図ともよく似ている。
柳井氏は、「『CRAFT BOSS TEA』のブランドエクステンションはどう考えていくか、いろいろなアイデアはあるが、今は白紙の状態だ」としていたが、前出の宮下氏はこう見立てる。
「おそらく、SBFは無糖紅茶で成功したら、次はミルクティーと考えているはずです。もっと言えば、無糖よりも、むしろ次に出すかもしれない“微糖紅茶”のほうが本命で、そうなったらキリンビバレッジとのガチンコ対決があるかもしれません」
なぜなら、「午後の紅茶」を擁するキリンビバレッジも、「CRAFT BOSS TEA」の発売から1週間後の3月26日、“甘くない微糖”をうたった、新商品の「午後の紅茶 ザ・マイスターズ ミルクティー」を発売するからだ。