◇紅茶市場で独り勝ち「午後の紅茶」も微糖ミルクティーを新投入

◇紅茶市場で独り勝ち「午後の紅茶」も微糖ミルクティーを新投入

「午後の紅茶」シリーズはこれまで、ストレート、レモン、ミルクの3種に加えて無糖商品を出してきたが、特にミルクティーは甘さが気になる人も多かったはず。そこで今回の新商品である。しかも500mlの新ペットボトル容器を採用する。キリンビバレッジの高久直也・マーケティング部長はこう語る。

「ペットボトルコーヒーは、だいたい2強(SBFとコカ・コーラ)が量販店やコンビニの棚を占めて他の商品は少し改廃が進んでいるため、『商品棚の活性化で新しい提案が欲しい』という流通サイドの声もありました。そこで我々は今回の紅茶新商品をぶつけていく考えです。もちろん、ミルクティー以外の品揃えも検討しています」

 これまで、10代から20代前半は有糖の「午後の紅茶」で支持を集め、無糖商品は30代後半以降をターゲットとしてきた。今回の微糖の新商品では空白域だった20代後半から30代前半の需要を取り込み、全世代でまんべんなく「午後の紅茶」愛飲者を増やしたい狙いだ。

 一方、紅茶市場の深耕は、「紅茶花伝」や「CRAFT BOSS TEA」、「午後の紅茶」というメーカー勢力ばかりではない。

 たとえばコンビニ大手のローソンが展開する「マチカフェ」。コーヒー以外にも昨年夏、「リプトンフルーツインティー」を発売したところ好評だったため、去る2月26日から、そのホット版ともいえる「リプトングッドインティー」(マンダリンオレンジ、いちご、レモン3種のドライフルーツ入り)を売り出している。

 冒頭触れたように、紅茶市場は清涼飲料の中で5%というシェアながら、狭くなってきたコーヒー市場の伸びしろを紅茶で補いたい狙いがある。コーヒー市場は昨年3億8000万ケースと紅茶市場のほぼ4倍もあるのだが、

「コーヒー市場はすでに頭打ちで、缶コーヒーやペットボトルコーヒーは特定のブランド以外は生き残りが厳しい時代になっています。そこで、まだ競争の余地がある紅茶のほうに注力しているというのが各社の戦略でしょう」(前出・飲料総研の宮下氏)

 また、紅茶は好きでもそもそもコーヒーは苦手という女性も多いことや、朝は目覚めのいいコーヒーでOKでも午後は紅茶を欲する女性が増えていることなども、各社が紅茶に注力し始めている要因といえそうだ。

 さらに3つ目の要因について、前出の高久氏はこう指摘する。

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