スポーツ

センバツ優勝・東邦 “勝利の女神”が明かす部員の合言葉

「勝利の女神」となった志水美紅さんと東邦ナイン

「勝利の女神」となった志水美紅さんと東邦ナイン

 平成最後のセンバツを制したのは、平成最初の王者でもある愛知の東邦だった。主将の石川昂弥(たかや)が投げては相手打線をわずか97球で完封し、打っては2ラン2発の独り舞台。“サイン盗み”騒動に揺れながらも、逆転ゲームの連続で勝ち上がってきた習志野(千葉)を6対0で退け、史上最多となる5度目のセンバツ王者に輝いた。

 センバツの戦いにとりわけ強い“春将軍”である東邦のベンチに記録員として入り、勝利の女神として貢献したのが、3年生マネージャーの志水美紅(みく)さんだ。志水さんが語る。

「今年の3年生は、1年生大会の時に2回戦で負けちゃって、周囲の方々から『弱い』と言われ続けていた代で、私も女友達から『今年は弱いんだよね?』と言われちゃうぐらい(笑い)。そんなチームが、(秋の)県大会を優勝して、東海大会も優勝して、神宮大会にも行けて、そしてセンバツでも優勝できた。夢が実現して本当に嬉しいです」

 志水さんはふたりのお姉さんがいずれも東邦のOGだという。

「2歳上の姉がチアをやっていて、ちょうど藤嶋健人さん(現中日)が甲子園に出た時、姉の応援も兼ねて私も甲子園に行ったんです。その時、東邦に入学して、野球部のマネージャーをやりたいと思いました」

 土日は下宿生のために昼食を作り、選手が練習の合間に口にするおにぎりを作ったりもする。普段の練習では、打撃マシンにボールをセットしたり、打撃練習のトスを上げたりするのも彼女たちの仕事だ。

「監督さんが危険のないように気遣ってくれて、ボールが当たっても大丈夫なように、いつも防具をたくさんつけて打撃マシンにボールを入れています。トスバッティングも、選手によって、トスしてほしい場所が違うので、ひとりひとり覚えるのが大変だったんですけど、今は慣れて、うまくなったなあ、って自分でも思います」

 8人いる女子マネージャーのうち、新3年生は5人。公式戦では5人が順繰りに記録員としてベンチ入りする。東邦のナインは、出場が決まった直後から「(甲子園のベンチ入りを5人の)マネージャー全員に回そう」を合言葉に戦っていた。甲子園で5試合を戦うには、決勝に進出しなければ叶わない。

「1年生の時のクラス順で、ベンチ入りする順番を決めているんですけど、このチームになってから私が入った公式戦は2連敗してしまっていて……。(昨秋の)神宮大会の八戸学院光星(青森)戦もベンチ入りして、負けているんです。私で大丈夫かな?って、ちょっとプレッシャーでした(笑い)」

ホッとした表情を見せた

ホッとした表情を見せた

関連キーワード

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン