国内

小池百合子都知事の最側近に「年収1400万円天下り」を直撃

小池都知事には「天下りではないか」との批判があがった(時事通信フォト)

小池都知事には「天下りではないか」との批判があがった(時事通信フォト)

 小池百合子都知事(66)の側近を長年務めた人物の転身を巡って「天下り」という批判が集まっている。小池氏が、野田数・前政務担当特別秘書(45)を都水道局が所管する外郭団体「東京水道サービス」(以下TSS、新宿区)の社長に推薦する意向を示したことがきっかけだった。渦中の野田氏が、取材に応じた。

 TSSは、都民の水がめである浄水場や送水管の管理を担う技術系の企業で、社員は約1500人。都が51%の株式を保有し、社長はこれまで都水道局長経験者の“指定席”だった。今回の人事は、水道局の天下り利権を都知事が“剥奪”したかたちだ。

“身内”を年収1400万円の厚遇ポストにあてがう人事だけに、対立する自民党都連の総務会長、萩生田光一衆院議員(党幹事長代行)は早速、「小池氏がけしからんと言ってきた天下りの極み」と批判した。

 野田氏は衆院議員時代の小池氏の秘書を務めたこともある20年来の側近だ。その後は東村山市議を2期、都議を1期務めた。都議だった2012年には「日本国憲法は無効であり日本帝国憲法が現存する」と提唱する請願に賛成したことが話題になったこともある。

「小池氏の右腕」と呼ばれるようになったきっかけは、小池氏が当選した2016年の都知事選だった。2013年の都議選で再選を逃し浪人中だった野田氏は、小池陣営の選挙対策本部を取り仕切る。さらに翌2017年の都議選では小池氏が率いる都民ファーストの会を大勝に導いた。

 それだけに、小池氏の信頼は厚い。TSS社長の人選の理由を問われた小池氏が、「新しい水道を作っていくための、これまでとは違う流れの人。天下りというジャンルには入らない」と反論した言葉には、自分が主導する改革のためには当然だという主張がにじむ。

◆“門外漢”の野田氏に「水道改革」は務まるのか?

 この人事が孕むもう1つの問題は、野田氏が変革の渦中にあるTSSの舵取り役として適任か、というものである。

 今年1月、小池氏肝いりの都政改革本部は、TSSと料金収受業務を担う別の外郭団体「PUC」を2019年度中に統合する方針を打ち出した。水道局OBが語る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン